広尾「アトリエローゼス」国内外で活躍する花職人・中村睦子氏のアトリエで〈染の花〉作りレッスン

花職人・中村睦子氏が手がけるオリジナルアートフラワー〈染の花〉

ウエディングや個展、数々のファッション誌などで活躍してきた花職人・中村睦子氏。中村氏がつくる〈染の花〉は、布を断裁し、一枚ずつ丁寧に染め分け、時には何百枚もの花びらを重ねて大輪の花を咲かせます。すべての工程が手作業で行われ、ひとつの作品が完成するまでに5年以上かかることも。様々な種類の布を使い、膨大な手間と時間を費やすことで、繊細さや立体感、そして生花にはない独創的なニュアンスが生まれます。中村氏の情熱が込められた作品は多くのファンを魅了し、国内外から注目されています。

中村氏が主宰する東京・広尾の「アトリエローゼス」では、中村氏が手がけた作品の数々を展示。また、〈染の花〉の基礎を学べる体験レッスンや、プロの作家を育てる養成コースも開催しています。

体験レッスンでは、断裁・染め・コテ当てなどの作業を、中村氏のアトリエスタッフから一人ひとり丁寧に教えてもらえます。最終仕上げは中村氏が行うため、満足のいく作品を完成させることができ、初心者も安心。色とりどりの花々に囲まれた贅沢な空間で、制作体験に没頭できます。

中村氏が特別に考案したオリジナルデザインの布花を制作

〈染の花〉には、中村氏の感性やポリシー、人生で培ってきた経験までもが凝縮。年月を重ねるほどに深みが増し、生花を超えた魅力を放ち続けます。長年ウエディングシーンで花嫁を彩ってきた中村氏。「私のお花は、独特な色合いや質感があり、自在にその表情を変化させることができるので、花嫁の個性を際立たせ、美しく魅力的に輝かせます」と話します。

本体験で制作する布花は、中村氏がOtonamiプランのためだけに限定デザインを考案します。街行く人々のファッション、自然や料理など、目に入るすべてのものからインスピレーションを得ているという中村氏。「写実的なものを取り入れて空想的な感覚で色を出し、現実にはない花をつくるのがこだわりです」と語ります。

平面から立体へ、布に表情が生まれる瞬間

〈染の花〉制作は、中村氏のアトリエスタッフが指導します。まずは型に沿って布を断裁するところから。花びらや葉の形をつくったら、染めの作業を行います。中村氏の長年の経験と美的センスから生み出された調合による染色液は、唯一無二の絶妙な色合いが魅力。筆を使って全体にベースの色をのせ、その上から花びらの色を重ねます。同じデザインであっても、色の広げ方が違えば表情も様々。仕上がりにその人の個性がにじみ出ます。

色を塗った布を乾燥させたら、続いてはコテ当ての作業。本物の花びらのようなカーブを表現するため、1枚1枚の花びらに熱したコテを押し当てていきます。平面的だった布が立ち上がって立体的になり、いきいきとした表情に。コテの先端は付け替えが可能で、花のデザインによって最適なパーツを使い分けます。

中村氏の手により、一人ひとりに合わせたデザインに

断裁や染め、コテ当ての作業を経て花びらができたら、いよいよこれらを組み合わせて仕上げの作業に入ります。想像力を活かしてバランスよく組み合わせる必要があり、初心者には少し難しく感じられるかもしれませんが、最後の仕上げは中村氏が行うためご安心を。完成度の高い布花が出来上がります。

完成した布花は、そのままインテリアアイテムとしてお部屋に飾っておくのはもちろん、オプションを追加すればブローチピンやコームを付けてコサージュや髪飾りに仕立てることも可能。用途や希望に応じて中村氏が茎の長さや角度などを細かく調整してくれます。どこに飾ろうか、どんな服に合わせようか……事前にイメージを膨らませておくのがおすすめ。あれこれ思いを巡らす時間も楽しみのひとつです。

人生を輝かせるヒントを中村氏から学ぶ

生花にはない独特の美しさを楽しめる〈染の花〉。中村氏はこれまでに得たすべての経験をデザインに活かし、自分にしか表現できない色や質感を追求してきたのだそうです。

「人生に無駄なことはひとつもありません。〈染の花〉を通じてご自身の感性を再発見していただけたら嬉しいです」と話す中村氏。本体験では、〈染の花〉の制作を通して手仕事ならではの魅力に触れるとともに、中村氏が放つ若々しいエネルギーから前向きに生きるヒントも得られるはずです。