
京都・花園「妙心寺大雄院」美しい襖絵の数々を巡る特別拝観 −御室和菓子いと達のおみやげ付き−


体験の概要
京都・花園、大本山妙心寺の山内の北に位置する塔頭「妙心寺大雄院」。幕末から明治にかけて活躍した漆芸家・画家の柴田是真による襖絵七十二面が残り、是真が明治宮殿に描いた花の丸図の下絵を元に、2020年に完成したのが「千種の花の丸襖絵」です。本体験では、新旧の襖絵についてご住職が解説しながら寺内をご案内。苔枯山水庭園を拝観しながらの坐禅も行います。
体験の特徴
・柴田是真が残した襖絵と日本唯一の宮絵師による「千種花の丸襖絵」をご住職が解説するOtonami限定プラン。
・通常非公開の襖絵や京都府指定・登録文化財の建物を見学できるプライベートな拝観ツアー。
・「御室和菓子いと達」のお菓子を、「花ゑみの間」にてゆっくりと味わいます。人気のくまの最中もおみやげに。
7,500円〜(名/税込)
1〜6名
約90分
詳しい内容
柴田是真の襖絵が残る、400年超の歴史を持つ寺院
「妙心寺大雄院」は、のちの尾張藩家老の石河光忠により、父の石河光元公の菩提寺として慧南玄譲を開祖に迎え、1603(慶長8)年に創建されました。表門は創建当時の400年前のもの。建物は光忠公の母、お亀の方が徳川家康より賜った伏見の屋敷を移築したものです。
夫の没後、徳川家康に見染められ側室となり、のちに尾張藩初代藩主となる徳川義直を生むという数奇な運命をたどったお亀の方。家康の子と異父兄弟となった石河光忠は徳川家に仕え、名家として栄えたといいます。

妙心寺大雄院といえば、柴田是真(ぜしん)の襖絵が見どころとして有名です。是真は、江戸時代から明治初期に活躍した漆工家・絵師・日本画家で、1830(天保元)年に江戸から京都へ遊学した際、こちらで筆をとりました。是真の作品は海外流出も多く、国内に残るものは貴重。春と秋の特別拝観時には多くの人が訪れます。
本堂を参拝し柴田是真の襖絵を見学
妙心寺大雄院は通常非公開。本体験では、まず15代目の石河法寛住職より、客殿(本堂)の障壁七十二面を鑑賞しながら解説していただきます。是真が日本画の四条派について学ぶため、京都に来たのは24歳の時。まだ令哉(れいさい)という号を使っていた若かりし是真の襖絵は、天才と謳われたあふれる才能を感じさせる見事なものばかり。

四条派は平面的で美しくデフォルメして描くのが特徴ですが、是真が妙心寺大雄院に残した絵の多くは臨場感にあふれたもの。「たとえば代表的な『郭氏儀図』。唐代の武将・郭氏儀とその家族を描いた絵は、人物があちこちを向き、体型の肥痩や老婆の皺もそのまま表現されています」と石河住職。「是真さんはすごく写生をする人だったそうです」というこぼれ話も伺うことができます。

美しい庭を望みながら坐禅
柴田是真とのご縁やお寺の歴史などを聞いた後は、本堂で坐禅を体験。本堂の前の美しい庭園は「苔枯山水庭園」といい、枯山水と池泉回遊式が組み合わさっています。常緑樹や緑の苔が広がるお庭は、どの季節にもどこかに花や紅葉が見られて華やかです。

座る時の手足の組み方や姿勢、「1メートルほど先の床を見るように」という視線など、作法を丁寧に教えていただけるので不安に思うことはありません。忙しい日常を過ごす現代人にこそ、立ち止まる時間がきっと必要です。木々の葉が擦れ合う音や鳥の声を聞きながら、ゆっくりと気持ちがほどけていくのを感じましょう。
現代の宮絵師が描いた千種の花の丸襖絵
戦災で焼失してしまった明治宮殿の千種の間には、かつて柴田是真による「花の丸大天井」がありました。100種以上の美しい草花の花の丸が格天井に描かれ、荘厳で美しい部屋だったと伝わります。その花の丸図は後世の絵師たちのお手本となっています。
今はなき天井画は、是真直筆の下絵を残すのみ。妙心寺大雄院ではその図を元に、日本で唯一人の宮絵師・安川如風氏の手により「大雄院襖絵プロジェクト」として復活させました。

安川如風氏は、長年国宝や重要文化財の復元彩色に関わってきた第一人者。プロジェクトの目的は、柴田是真をより多くの方に知ってもらうことはもちろん、宮絵師の貴重な伝統技術を後世に残していくことでもあります。

是真の花の丸図に、安川氏の見事な彩色技術と遊び心を加えた「千種の花の丸襖絵」。庫裏の大方玄関は、四季を描き、蝶や貝、雀などを生き生きと描くことでお迎えの気持ちを込めた華やかな空間になっています。絵の中に数種類の生き物が隠れている「花ゑみの間」や、四季の表現を通して輪廻の理を表した引き手金物などをご案内いただけます。
庫裏で襖絵に囲まれながらお茶とお菓子を堪能
ツアー最後の花ゑみの間でのお茶とお菓子のおもてなしは本プラン限定。抹茶碗は清水焼の諏訪蘇山、お菓子は「御室和菓子いと達」の生菓子をご用意。御室和菓子いと達は、老舗で修業したご主人が伝統的な味わいを大切にしながら、若々しい感性でお菓子作りをしている人気店です。

千種の花の丸襖絵がある大方玄関や花ゑみの間は、建具や漆喰もその道の名工に依頼してしつらえた趣深い空間になっています。襖絵はもちろん空間も楽しみながら、ホッとひと息つきましょう。お帰りの際には、御室和菓子いと達で人気のくまの最中をおみやげとしてお渡しします。

江戸に生まれた天才が描いた襖絵と、日本で唯一の宮絵師による襖絵をご住職の解説付きで同時に堪能できる、妙心寺大雄院の特別拝観ツアー。受け継がれる日本の芸術は、時代を超えて私たちの心を癒し続けてくれるでしょう。
提供 妙心寺大雄院

提供
妙心寺大雄院
竜野城主だった石河光元の長子・石河光忠が、父の菩提を弔うために1603(慶長8)年に創建。叔父の慧南玄譲を開祖とする。江戸時代後期から明治初期に活躍し、「知る人ぞ知る天才」と評された 柴田是真の襖絵が残る寺院としても有名。客殿、書院、庫裏、表門は京都府指定・登録文化財。客殿と書院は1726(享保11)年に再建され、庫裏は江戸時代末期に改造されたもの。
お客様の声
予想以上に 素晴らしい体験をさせていただき大満足です。少人数というのもよかったですし、ご住職のお話が分かりやすく、時にはフレンドリーな雰囲気も作ってくださり心地良い時間でした。奥さまのフォローも細やかで、素晴らしかったです。これからも座禅の時間を生活に取り入れていこうと思います。
愛知県 60代 女性
最近話題になっている柴田是真の襖絵や、宮絵師が復活させた花の丸の絵をゆっくり見ることができて感動しました。大きくはありませんが荘厳な雰囲気のお寺で、お庭もきれいで、気さくなご住職のお話もおもしろかったです。おみやげのくま最中にもキュンとしました。
奈良県 40代 女性
参加人数限定なので ゆったりとご住職さまのお話を拝聴することができました。大雄院さんへは何度も寄せていただいていますが 初めてお聴きする内容のお話もあり とても満足しました。
京都府 60代 女性
開催場所
妙心寺大雄院
〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町52
【電車の場合】
・JR花園駅より徒歩約10分
・嵐電 妙心寺駅より徒歩約8分
【バスの場合】
・JR京都駅から京都市営バス26系統に乗車、「妙心寺北門前」より徒歩約5分