組紐処「道明」が提案する新ブランド「DOMYO」 1652年創業の老舗組紐処「道明」。機械生産が進む現代にも、手染めと手組みにこだわり、伝統的な組紐作りを守り継いでいます。一色一色丁寧に染め上げ、熟練の職人によって組み上げられた道明の帯締めは、高い伸縮性とつややかな質感が特徴です。
独特の手触りと風合いが魅力の組紐 道明では、技の追求と継承に加え、時代に沿った新たな商品開発にも力を注いできました。そこで2015年にリリースしたのが、洋装小物のブランド「DOMYO」。若い世代や海外の方々にも組紐の魅力を広めようと、アクセサリーやネクタイなど普段使いしやすいアイテムをラインナップしています。
組紐を用いたタイやベルトなどを取り扱うショップのほか、歴史的な組紐の復元品なども展示されている 「Kumihimo Experience by DOMYO (有職組紐 道明 神楽坂)」は、これまで脈々と受け継がれてきた伝統とともに、新たな取り組みについて発信する拠点です。本体験では、職人が施設内をご案内し組紐の歴史を解説。その奥深い世界を知ることができます。
本格的な組み方「笹浪組」で組紐バレッタ作り 組紐への理解を深めたら、いよいよ組紐作りに挑戦。「笹浪組(さざなみぐみ)」と呼ばれる組み方で、オリジナルのバレッタを制作します。水面にさざ波が立っているような美しい組目ができることからその名が付いた、組紐のなかでも古い歴史を持つ組み方です。聖徳太子を描いた最古の肖像画と伝わる『唐本御影』で聖徳太子が腰に着けている組紐は、この笹浪組で組まれたものだとか。
バレッタの完成イメージ。普段使いはもちろん、着物や浴衣に合わせても華やか 道明の上野本店では「奈良組」によるアクセサリー制作 を体験できますが、「奈良組」が12本の糸を使うのに対して「笹浪組」では24本の糸を使います。笹浪組は、道明が主催する組紐教室では通常は数年かけて習得する組み方。本体験では特別に、職人の手ほどきのもと笹浪組による制作に挑戦できます。
糸を組むための組台。体験では中央に穴のあいた丸台を使用 本格的な手組みを学びながら、組紐の歴史や魅力について深く知ることができる貴重な機会。じっくりと糸と向き合い、職人の手によって受け継がれる手仕事のあたたかみを感じられるでしょう。
まるで鏡のように、組紐はその人の心を映す バレッタの色は、体験当日までのお楽しみ。糸を組む時に使う組台に糸が何パターンかセットされていますので、出来上がりを想像しながらお好みの組台をお選びください。
体験では用意された中からお好みの色の台を選択 職人の指導のもと、糸を1本ずつ動かして組んでいきます。はじめは手順を体に染み込ませるようにゆっくりと。覚えられたら、あとはひたすら繰り返します。「組紐は鏡のようにその人を映す」と言われ、性格や姿勢、心の状態までもが組紐に表れるのだとか。雑念を捨て、糸との対話を楽しみましょう。
都内屈指の美食エリア・神楽坂で過ごすランチタイム 午前の部と午後の部の間には、神楽坂の街へ繰り出し、自由にランチタイムを過ごすことができます。多様なジャンルの名店がそろう美食エリアでもある神楽坂。気になるお店があれば、事前にチェックしておくことをおすすめします。
石畳の小路が点在する神楽坂の町並みは、歩いているだけで楽しい オプション(有料)にて、ギャラリーからほど近くの古民家を改装した和食処「神楽坂 久露葉亭」でのランチタイムを楽しむことも可能。日本料理の職人が毎朝打ちたて茹であげる細打ちうどんを、季節の天ぷら盛りと共にいただきます。古民家の落ち着いた雰囲気の中、しばしの休憩時間です。午後の制作に向けて、おなかと心をたっぷり満たしましょう。
都会の喧騒を忘れ、ゆっくりと過ごすランチタイム 無心で手を動かせば、糸はまっすぐ応えてくれる ギャラリーへと戻ったら、バレッタのアクセントとなるベルト部分をセレクト。組紐との組み合わせをイメージしながら、たくさんの種類からお好きなものを選べます。帯締めを選ぶ時のように、職人に色合わせを見立ててもらうことも可能です。
バレッタへと生まれ変わった組紐との再会が楽しみ 制作を再開してしばらくすると余裕が生まれ、無心で糸と向き合う時間が続きます。糸につけた重りがぶつかり合う「カラン、コロン」という音が賑やかになったら、リズミカルに手が動き始めた証拠です。40センチほど組み上げれば出来上がり。職人が縫製してバレッタの形に仕上げ、体験後1ヶ月程度でご自宅にお届けします。仕上げに取り付ける留め金は、クリップタイプを選ぶこともできます。
糸と戯れ、色彩と手触りに癒される一日 糸の交差を繰り返し、時間をかけて組み上げていく組紐。その繊細な手仕事を体験すれば、組紐の奥深さとともに日本人の感性の素晴らしさにも気がつくでしょう。糸の手触り、色彩の美しさ、心地よい音……。制作の余韻に浸りながら、神楽坂の石畳の小道をのんびり散策するのもよさそうです。
「カラン、コロン」という軽やかな音が耳に心地よい