旧大阪市公館「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」歴史を辿る特別見学＆クラシックアフタヌーンティー

緑あふれる都会の迎賓館、ザ・ガーデンオリエンタル・大阪

大阪駅から約5分の都心にありながら、約4,000坪もの広大な敷地を持つ緑豊かな迎賓館、ザ・ガーデンオリエンタル・大阪。“水の都”と称される大阪の中心を流れる大川に面し、大阪の自然を存分に感じられる場所に位置しています。

この地はもともと、明治時代に大阪財界の重鎮であった藤田財閥の創始者・藤田伝三郎（1841-1912）の大邸宅の一部でした。広大な敷地は3人の息子に分けられ、現在、藤田美術館のある場所は長男、旧太閤園のある場所は次男、そしてザ・ガーデンオリエンタル・大阪のあるこの場所は三男にそれぞれ相続されました。しかし、一帯は大阪大空襲によって全焼し、しばらくは放置されていたのだとか。

1959（昭和34）年に大阪で国際会議が開催されるのを機に、迎賓館として建造され、大阪市公館としての歩みが始まります。モダニズムの美を反映した格式高い建築は、大阪証券取引所や大阪能楽会館などの設計に携わった、昭和のモダニズム建築を代表する名建築家・竹腰健造（1888-1981）の代表作です。

歴史的な国際会議を開催し、歴代の首相や国賓級の海外VIPを多くもてなしてきた歴史ある旧大阪市公館。2014年からは、ザ・ガーデンオリエンタル・大阪として、レストランや結婚式場、パーティー会場として新たな歴史を刻みはじめ、一般客も広く利用できるように。洗練された近代建築と広大な庭園を楽しみながら、特別なひとときを過ごすことができます。

ジャパニーズ・モダンをコンセプトにした趣ある館内を巡る

歴史の風格を物語る建築をそのまま継承し、内装も当時のデザインを生かした、ザ・ガーデンオリエンタル・大阪。敷地内には見どころが多く、その貴重な館内・庭園を特別に見学できるOtonami限定のプランです。“なにわ迎賓館”とも呼ばれた迎賓館の歴史や面影に触れつつ、設計に携わった建築家・造園家の想いが込められた場所を巡ります。

まずは正面玄関からスタート。市の迎賓館として使われていたという品格を感じさせるレトロモダンなエントランスは、ハレの日にふさわしい堂々とした気品ある佇まいです。館内に入ると目に入るのは、壁画アーティストの村城良胤氏がデザインした金屏風を模した壁画。通天閣や太陽の塔など大阪のシンボルと四季を表現し、見ているだけで大阪を旅したような気分になれます。

外壁のレリーフテラコッタやアール・デコ調の装飾、螺旋階段の意匠など、随所に歴史的な品格が漂います。「当時の雰囲気を大事にしたい」という方針のもと、当時のデザインを再現した照明も建物に溶け込んでいます。特別見学を通じて、建物の細部にわたるこだわり、そして大阪らしいあたたかみのあるおもてなしや気遣いの心を感じ、深く魅了されることでしょう。

※季節や状況によって見学できない場所がある場合がございます。

広大な敷地に広がる本格的な日本庭園・庭園を散策

本体験では庭園の散策時間もたっぷり設けています。大阪の中心にありながら広大な緑に覆われ、非日常的な雰囲気が漂う庭園。四季折々の花が植えられ、どの季節に訪れても美しい姿を見ることができます。

約2,500坪もの広さがある庭園は、日本を代表する造園家である田治六郎（たじろくろう、1904-1978）の作品。田治六郎は1970年に開催された日本万国博覧会（大阪万博）への日本庭園（現在の「万博記念公園」）の出展や「大阪城公園」など、大阪で今なお愛される数々の日本庭園・公園を手がけました。

日本庭園の中で、ひときわ目を引く趣ある茶室「二水亭」も、Otonami限定で特別に見学できます。海外からの賓客の利用も考慮し、座礼と立礼の両方に対応できる設計が特徴。梁や扉には縄文杉や屋久杉が使用され、今では二度と建てることができない貴重な建物だそう。見学の際には豊かな木の香りも感じてみてください。

中心にあるガーデンの向こうには、大阪万博の際に拡張された約1,500坪の西庭が広がります。回遊式庭園として花菖蒲が最も美しく見えるように配置されたという西庭は、数寄屋造りの東屋や鯉が優雅に泳ぐ池、竹林など見どころ豊富です。

気品あふれる空間で愉しむ優雅なアフタヌーンティー

体験の最後は、セイボリー3種類、メインディッシュ2種類、スイーツ7種類をティースタンドに盛り付けた、季節のアフタヌーンティーをいただきます。アフタヌーンティーは、通常提供していないOtonami限定メニュー。スパークリングワイン（ノンアルコールスパークリングに変更可能）で乾杯後、迎賓館だった旧大阪市公館時代をイメージして考案された、時代を超えて愛されるクラシックなメニューを心ゆくまで味わうことができます。

四季折々に表情を変える広大なガーデンを眺めながら、またはアール・デコ調のモダンなバーで歴史を感じながら、午後の穏やかなひとときを楽しみましょう（会場は体験日によって異なります）。

アフタヌーンティーは1人用ティースタンドで用意されるので、おひとりでの参加も歓迎です。長年愛されているタマゴサンドウィッチ、デザートプレートの一品である一番人気のバスクチーズケーキなど、シンプルながら素材にこだわったメニューが登場。この場所ならではの歴史や面影を感じられる、特別なアフタヌーンティーを味わいに、季節を替えて繰り返し訪れるのもおすすめです。

こだわりはメニューだけでなく、食器やカトラリーにも。大阪市公館時代から使われている食器は、「ノリタケ」のもの。また、フォークやスプーンにも大阪市の刻印が入っています。時代が変わっても美しさはそのまま、今なお現役で大切に使われているカトラリーを使った食事は、より特別な味わいに感じられるかもしれません。時の流れに思いを馳せながら、じっくりと味わってみてください。

※本プランの第一部（14:00体験開始）に参加の方は最長15:30まで、第二部（15:00体験開始）に参加の方は最長 16:30までご滞在可能です。

昭和モダニズム建築の傑作で大阪の歴史と魅力を再発見

ザ・ガーデンオリエンタル・大阪での体験を通じて感じられるのは、普段着の大阪ではなく、洗練された文化の香りが漂う、優雅な雰囲気の大阪です。いつもとは違った角度から大阪の歴史に触れることで、大阪の新たな魅力を知ることができるでしょう。

大阪のおもてなしを担ってきた名建築を巡り、先人の歩んできた歴史に思いを馳せながら、アフタヌーンティーをいただく本体験。特別な空間と時間を贅沢に堪能しながら、2025年に近づく大阪・関西万博について想いを巡らせてみてはいかがでしょうか。