中目黒「KAPUKI」モダンなデニム着物をパーソナルスタイリングで装う特別なきもの体験

目黒川沿いのモダンでスタイリッシュな着物屋

東京・中目黒の目黒川沿いを歩いていくと、ひときわ目を引く「KAPUKI」のショーウィンドウがあらわれます。都内有数の桜の名所である目黒川の桜並木を映す大きなガラスの向こうには、モダンでスタイリッシュな着物をまとったトルソーやディスプレイの数々。心の高揚を感じながら店内に足を踏み入れると、そこには従来の着物屋のイメージはまるでなく、目に入るものすべてが洗練されたセレクトショップのようです。

店主は、ファッションスタイリストとして第一線で活躍していた腰塚玲子氏。約10年にわたり、雑誌や女優、タレントなどのスタイリングを手がけていました。現在はファッション業界で培った美的センスを和の着物に転換し、“伝統は革新の連続”をコンセプトに、日本の伝統衣服である着物に現代の価値観を融合させた新たな着物スタイルを発信しています。このプランでは、腰塚氏のパーソナルスタイリングを受けながら、「デニム着物」と「帯ベルト」の着用体験を楽しむことができます。

ファッションのプロから学ぶ、着物のスタイリング講座

パーソナルスタイリングの前に、腰塚氏によるスタイリング講座を受けられます。その日のコーディネート紹介やスタイリングのポイントなど、洋服を着る際にも取り入れられるコツが満載。KAPUKIにラインナップしている腰塚氏厳選の着物や反物、帯・小物などを通して、日本が誇る伝統工芸品の息をのむ美しさと、その圧倒的な技術の高さを肌で感じられることでしょう。

腰塚氏が愛してやまないという、創業285年を迎えた京都・室町「誉田屋源兵衛」の帯や、創業160年を越える博多織の老舗「西村織物」の博多帯など、全国の職人が手がけたものから現代作家のものまでが一堂に会する贅沢な空間は、今の時代に至るまでに着物がたどってきたストーリーそのもの。芸術作品と呼びたくなるような着物や帯を目の前にし、実際に触れてみることで、着物への知見がさらに広がることでしょう。

モダンなデニム着物で現代の粋をまとう

いよいよデニム着物と帯ベルトの着付けです。KAPUKIの代表的なアイテムであるデニム着物は、「おしゃれでありながら、気軽にファッションとして取り入れられるオリジナルの制作を」と創業前から心に決めていた腰塚氏が、デニムにフォーカスしたジャパンブランド「FDMTL（ファンダメンタル）」とダブルネームで作り上げたもの。色や加工の違い、描き出される柄によってそれぞれが異なる表情を見せ、着物を親しむきっかけになればという腰塚氏の想いがこもっています。夏季（6〜8月）には浴衣のご用意も可能です。

デニム着物とこれ以上ない相性で互いを引き立てる帯ベルトも、レザータイプから博多織や西陣織まで様々。数え切れない組み合わせの中から、イメージや体型、髪型に合わせ、その人の魅力を最大限に引き出すスタイリングを腰塚氏が直々に提案してくれます。

デニムというなじみ深い素材でありながらも、着物として再会するとなぜだか背筋が伸びる気がするのが“着物マジック”。実際に身にまとってみると、鏡の中で見つけるのは今まで出逢ったことのない真新しい自分の姿かもしれません。着付けはスタッフが行い、襦袢など着付けに必要なものは店舗に用意されているため、着物に慣れていなくてもご心配なく。後ろ姿の衿元の美しさを感じられるよう、アップスタイルの髪型での参加がおすすめですが、お好きな髪型での参加でも問題ありません。

着物姿での写真撮影と交流のひととき

着付け後は、店内での写真撮影タイム。体験の記念として、スタイリッシュに変身を遂げたご自身の姿をお手持ちのカメラやスマートフォンなどに収めましょう。その後の交流会では、お菓子とお茶をご用意（18時開催の回ではスパークリングワインとおつまみ）。体験の感想や着物に関する質問など、思い思いに会話をお楽しみください。

デニム着物を着たまま街におでかけしたい方のために、オプションで延長プランもご用意しています（有料）。KAPUKIのある中目黒には素敵なカフェやレストラン、写真撮影スポットも多く、着物での散策にぴったり。着物姿で歩くだけで街行く人たちとの会話が生まれ、いつもは通り過ぎる景色でさえどこか特別に感じられるかもしれません。

ファッションとして、もっと気軽に着物を楽しむ

「“着物は敷居が高くて難しいもの”という印象を抱く人がまだまだ多いからこそ、ファッションとして楽しめるものだということを知ってほしいです」と腰塚氏。守るべき伝統は守りながら、時代に合わせて変化することを恐れない、そんな凛とした気概がKAPUKIの着物を通して感じられます。

昨今、世界中でサステナブルな社会を目指す取り組みが行われています。そんな中、実は着物が持続可能な衣服であることはあまり知られていません。直線で裁断されるため端切れがほぼ生まれず、糸を解いて仕立て直したり色を染め替えたりすることも可能。手入れをすれば世代を越えて受け継がれ、着物として着れなくなれば形を変えて再利用する。そんなすばらしい精神が、日本の伝統衣服「着物」には宿っています。KAPUKIでの体験を通して着物に気軽に親しみ、その向こう側に広がる世界の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。