書家・華雪氏に学ぶ、心模様を字に映し出す自己表現の書 −九段下のギャラリーにて−【全5回】
体験の概要
「決められた美しさ」にはなぜ息苦しさが伴うのか——。書家・華雪氏から書による自己表現を学びながら、あらゆる表現の場に共通する疑問と対峙する全5回のコースです。心理学にも造詣が深く、ものごとの深部を捉えた表現を行う華雪氏。1回8名限定(2024年5・6月は10名限定)のOtonamiオリジナルプランで、華雪氏と密にコミュニケーションを取りながら特別な書体験を堪能できます。九段下の桜の名所・千鳥ヶ淵緑道近くに佇むモダンギャラリー「GOTTA九段下」を舞台に、自由かつ新しい書の世界へと足を踏み入れます。
体験の特徴
・東京・九段下、外堀沿いの洗練されたギャラリーにて、画一的な美にとらわれない表現を追求する書家・華雪氏が手ほどきする書体験。
・月ごとに異なるテーマで学びを深める全5回コースで、書(2024年4月まで)と篆刻(2024年5・6月)を体験できるOtonamiオリジナルプラン。
・お手本にとらわれず一人ひとりの感性と自由な発想を活かせるため、書の経験を問わず気軽に参加できます。
8,000円〜
(名/税込)
1〜10名
約180分
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詳しい内容
書家・華雪氏と学び嗜む、心を映し出す書
書家として精力的な作品制作を繰り広げてきた華雪氏。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、文字の成り立ちを綿密にリサーチし、現代の事象との交錯を漢字一文字として表現する作品づくりに取り組んできました。集英社創業85周年特別企画「戦争×文学」の題字揮毫をはじめ、書籍の題字も手がけています。
華雪氏が導くのは、己の心と向き合い表現する書。その根底には、時代や社会情勢などが作り出した一定基準の美しさへの疑問があります。「“美しいってなんですか?”と、あらためて皆さんに問いかけたいのです」と話す華雪氏。書を通じて形なき美を模索することで、自己内観を深め、卓上の創作でありながらも旅に出たような達成感を味わえることでしょう。
会場となるのは、九段下駅から徒歩2分ほど、築95年の近代建築ビルの2階にあるギャラリー「GOTTA九段下」。新旧どちらの雰囲気もなじむこの場所で、ほどよい静けさと居心地の良さを感じながら書と向き合うことができます。
漢字のルーツを知り、解釈に奥行きが生まれる
全5回の体験では、2つの相対する形容詞の組み合わせ(重い・軽い/柔らかい・固い/大きい・小さい など)をテーマに、それに結びつく漢字を書いていきます。例えば「重い・軽い」をテーマとする回では、「心が重い」「心が軽い」という表現がある「心」が結びつく漢字として挙げられます。そしてその漢字の成り立ちについて、華雪氏の解説を聞き、辞典を使って学びます。
漢字は小学校で習うような親しみのあるものからピックアップされますが、いざそのルーツを調べると、知らなかった一面に出会うことも。教養を深めながら、この後の創作のヒントを得る貴重な時間です。
重い、柔らかい、大きい……形容詞を表現する筆づかいを掴む
漢字について理解を深めたあとは、筆と墨の取り扱いについて学びます。墨のすり方や筆の持ち方など基本的な作法を教わりますが、これらは華雪氏曰く文字を書くための作法ではなく、筆で書くことができる線の可能性を試すための技法を知るための時間。学生の頃に学んだ習字の基本は、いったん頭の片隅に置いておきましょう。
この日使用した筆は、イタチの毛から作られたもの。イタチはしっぽを引きずって歩くため自然と毛先が尖り、しっぽの毛が重宝されているのだとか。墨は、松脂をベースとした松煙墨。涼しげな青系の黒色が特徴で、油の粒子が粗く光をたくさん通すため、淡い色で書くと美しさが際立ちます。同じ線でも、用いる道具によってまったく異なる表情になるのが面白いところです。
まずは線を書きながら、形容詞通りの表現に挑戦します。「重い」であれば筆をずんと半紙に沈めるようなイメージで、「軽い」であれば筆を軽やかに滑らせるイメージで……。最初はぎこちなくても、何度も書くうちに変化があらわれます。大切なのは、自分のリズムで筆を滑らせること。少しずつ自分の納得のいく表現へと近づけていきましょう。
今の心模様を字に写し出す
次はいよいよ漢字を書きます。先ほどと同様に形容詞を意識しながら筆を動かし、さらに、今の感情をも投影していきます。重い気分か、軽い気分か、柔らかい気分か、小さい気分か。それを表現する筆づかいは、墨の濃さは、見た目のボリュームは……。自分の心の琴線に触れる表現を目指し、様々なパターンを試します。
自分の心を目に見える形でさらけ出す創作はある種の勇気を伴いますが、「自分自身で物語をつくっていい」という華雪氏の導きに背中を押されます。気づけば筆が止まらないほど無我夢中になってしまうかもしれません。
「わたし」を表す篆刻の体験を通じて、書への理解を深める
2024年5・6月の回には、歴史的に書と結び付きの深い篆刻を体験し、ご自身だけの印章を作ります。まずは「わたし」を表す一文字を選び、その成り立ちを知ることからスタート。文字をデザインし、彫刻刀に似た印刀と呼ばれる道具を使って、柔らかい石に文字を彫ります。完成した印章は、これまでの体験の仕上げとしてご自身の書に捺したり、手紙やはがきなどに彩りを添える日常的な印として使ったりすることができます。
篆刻には、捺したときに文字が白く周りが朱くなる「白文(凹版)」、捺したときに文字が朱く周りが白くなる「朱文(凸版)」とがあります。白文で得た技術が朱文に生かされるため、2回連続での受講をおすすめします(※朱文のみのご参加の場合は、制作時間が多くかかることをあらかじめご理解ください)。篆刻を体験することで、書に対する理解が一段階深まり、書の技術力や表現力がさらに磨かれるでしょう。
美しさはひとつではない。試行錯誤の末に生まれた作品から見えるもの
最後は華雪氏による作品の講評と感想会です。自分の心情をどのように表現したのか、あらためて言葉で発表し伝えます。他の参加者の発表を聞いたり、華雪氏からコメントをもらったりすることができるのも、本体験の醍醐味です。自分だけでは想像しえなかった視点が、新たな刺激を与えてくれることでしょう。
人の価値観はさまざまだからこそ尊い。それは芸術分野だけではなく、生きるうえでも大切な気づきとなるはずです。自分なりの美しさを尊重し表現する喜びを、華雪氏の手ほどきのもと体感してみてください。
提供 書家・華雪
提供
書家・華雪
京都生まれの書家。立命館大学文学部心理学専攻卒業。1992年より個展を中心に活動。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、文字の成り立ちを綿密にリサーチし、現代の事象との交錯を漢字一文字として表現する作品づくりに取り組むほか、文字を使った表現の可能性を探ることを主題に、国内外でワークショップを開催。集英社創業85周年特別企画の題字を揮毫したほか、書家として商品ロゴや舞台美術なども幅広く手がける。
提供 GOTTA九段下
提供
GOTTA九段下
九段下駅から徒歩約2分、築95年の近代建築ビルの2階に構えるギャラリースペース。撮影やイベント、ジュエリーの展示会など幅広いクリエイティブシーンで利用され、春には千鳥ヶ淵緑道に咲く桜を一望できる。
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お客様の声
書道の概念が変わりました。自由に表現でき、それを良しとしてくださる先生がいて、とても気持ちよく楽しめました。字の綺麗さに自信がなかったため最初は不安もありましたが、まったくの杞憂で、絵を描く感覚でトライできます。先生のお考えや物腰の柔らかさも本当に素敵で、初回でファンになりました。
東京都 30代 女性
今まで、書道はお手本通りに美しく正しい字を書けるかが大事と思いながら生きてきました。今回はじめて書家・華雪先生の講義を受けさせていただき、元々字は人の祈り(想い)の言葉を残そうと書き連ねるところから始まり、そこに美醜の概念はなかったというお話にとても感動し、納得しました。そして、華雪先生の《美しい字とは何なのか》という問いかけがとても心に残りました。実際に心と身体と墨と筆を繋げて書く体験を、「重い / 軽い」というテーマを通して体験させていただき、子どもの時のように心から楽しい、あっという間の時間でした。子どもの頃、はじめて文字を習って書き始めた時は書いていること自体が楽しくて、心の感覚と身体の感覚と道具の繋がりを無意識に感じながら楽しんで書いていたことを思い出しました。次のテーマもタイミングが合いましたら、是非申し込ませていただきたいと思います。貴重な楽しい講義をありがとうございました。
千葉県 40代 女性
書家の方に教わる体験は人生ではじめて。少し緊張していましたが、迎えてくださった華雪さんは凛としたお姿の中にたおやかさもあって、自然と和みの感覚に包まれました。そしてテーブルに置かれた硯、筆、墨の堂々とした佇まいに惹きつけられ、体験へのわくわく感が湧いてきました。お席は満席で、皆さんそれぞれに好奇心をお持ちの方ばかり。文字の成り立ちから書のお道具の辿ってきた長い歴史、華雪さんの幼い頃からの書へのロマンなどのお話を夢中で聞いては質問もして、2時間では足りないくらいでした。硯で磨る墨のいい香りに癒されながら筆の感覚を覚える作業の後、漢字の「心」を作品に仕上げました。不思議と自分の深い思いに集中し、心と呼吸が一体だと体験できたことは驚きでした。「〈書〉は生活のあらゆることに繋がっていて役立っています」という華雪さんの言葉は印象的でした。それを是非とも味わってみたいので、次の回も引き続き体験したいと思っています。
東京都 60代 女性
開催場所
GOTTA九段下
〒102-0074 東京都千代田区九段南2-2-8 松岡九段201
・東京メトロ 九段下駅より徒歩約2分
予約について
催行決定日よりご希望の日付を選択してください
催行日時|月2日(水曜・木曜) ・2024年4月まで…10:00~12:00 / 18:30〜20:30 ※120分 ・2024年5・6月…10:00~13:00 / 18:00〜21:00 ※180分 ▼各回の内容 【クール1】 1回目(2023年9月):重い / 軽い 2回目(2023年10月):柔らかい / 固い 3回目(2023年11月):遅い / 早い 4回目(2023年12月):大きい / 小さい 5回目(2024年1月):丸い / 四角い 【クール2】 1回目(2024年2月):止まると動く「永」 2回目(2024年3月):遠いと近い「耳」 3回目(2024年4月):閉じると開く「○」 4回目(2024年5月):「わたし」を刻む 篆刻「白文(凹版)」 5回目(2024年6月):「わたし」を刻む 篆刻「朱文(凸版)」 ※レッスン内容は1ヶ月ごとに変わります。 ※2024年5・6月は「書」ではなく「篆刻」の体験となり、料金(7,500円→8,000円)、人数(8名→10名)、体験時間(120分→180分)が変更となります。 ※1クール5ヶ月かけて全5回すべてのレッスンを受講するのがおすすめです。 ※どの回からでも、お好きな回に1回からご参加いただけます。
※日により開始時間が異なる場合があります。詳しくは催行決定日の日付をクリックして、開始時間をご確認ください。
現在ご予約が可能な催行日がございません。
即時予約
リクエスト予約
残数僅か
受付終了
開催なし
〇即時予約は、Otonamiサイト上で予約が完了した時点で予約が確定します。
□リクエスト予約は、お客様のリクエストに沿って空き状況を確認、後日予約の受付可否をご連絡します。
料金
【2024年4月まで】1回 7,500円(名/税込)
【2024年5・6月】1回 8,000円(名/税込)
料金に含まれるもの 体験料、講習料、材料費、施設利用料
催行人数
【2024年4月まで】1回8名限定
【2024年5・6月】1回10名限定
※1名からご予約いただけます
体験の流れ
【2024年4月まで】
1.GOTTA九段下に集合(体験開始の10分前にお集まりください)
2.その日のテーマについてのお話(約30分)
3.書の体験(約60分)
4.作品への講評・感想会(約30分)
5.解散
【2024年5・6月】
1.GOTTA九段下に集合(体験開始の10分前にお集まりください)
2.その日のテーマについてのお話、篆刻する一字について相談(約30分)
3.篆刻の体験(約120分)
4.作品への講評・感想会(約30分)
5.解散
※上記の流れは目安です。当日の状況によって変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※レッスン内容は1ヶ月ごとに変わり、1クール5ヶ月かけて全5回すべてのレッスンを受講できます。
キャンセルポリシー
開催9時間前を過ぎてのキャンセル:ご予約料金の100%
お持ち物
【全回共通】
資料を配布しますので、メモを取りたい方は筆記用具をお持ちください。
【2024年5・6月】
・細かい作業があるため、必要な方は老眼鏡、メガネ型拡大鏡などを必ずお持ちください。
・ご自分を表す一文字を彫ります。名前から、または好きな文字など、あらかじめ決めてからご参加ください。
※篆刻に必要な石や印刀などの道具はすべてご用意します。
服装
【2024年4月まで】
・墨を使用します。汚れてもよい服でお越しください。
・気になる方はエプロンをご持参ください。
・フィッティングルームがございますので、お着替えをされる場合はご利用ください。
【2024年5・6月】
特にございません。
お支払方法
クレジットカードでの事前決済となります。
参加条件
18歳以上
予約期限
開催日の2日前まで。
特記・免責事項
・やむを得ない事由により中止になる場合や体験内容に変更が生じる場合があります。あらかじめご了承ください。
・会場は飲食物のお持ち込みが可能です。
よくあるご質問
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