銀座「薬石花房 幸福薬局」中国政府認定の中医師による漢方入門講座 −季節の薬膳スイーツと共に−

少人数限定のカウンセリング専門薬局

帝国ホテルで17年間の営業後、ホテルの建て替えに伴って銀座一丁目のアクセス良好なビルの7階に移転した「薬石花房 幸福薬局」。エレベーターを降りるとほんのり漢方の香りが漂います。室内に入ると落ち着いた空間が広がり、カウンセリング用のテーブルがゆったりと配置されています。

院長の幸井俊高氏は、東京大学薬学部卒業後、漢方薬によって花粉症の症状が和らいだ経験から漢方に惹かれ、さらに深く学ぶべく中国の国立北京中医薬大学日本校へ入学。卒業後に中国政府から日本人として18人目の中医師の認定を受け、2004年には日本経済新聞「日本の実力派たち」のひとりにも選ばれました。漢方や薬膳に関する著書も多く、専門家向けのWebメディアでコラムを連載するなど、漢方を広く伝える活動をしています。

幸福薬局では、丁寧なカウンセリングを経て一人ひとりの体質や体調に合わせ生薬を調合し、オーダーメイドの漢方薬を処方しています。そのため、全国から相談に訪れる人が後を絶ちません。個人差のある体質を知るためにはじっくり時間をかけてヒアリングする必要があるので、1日に診察できるのは4人が限界なのだそう。

漢方の基本的な考え方を学び、自身の体質を知る

本プランは、院長の漢方についての基礎講座から始まります。自分の体質を知ることで、病気になりにくい体質づくりへのヒントが得られます。漢方では、基本的な体質には120種類あるといわれていますが、大きく分けた4種類の体質「補」「捨」「流」「調」について教わります。また、季節が身体に与える影響についても学びます。

続いて、薬石花房 幸福薬局監修の体質チェックシートで自身の体質を探ります。シート上のあてはまる項目にチェックをつけていき、「補」「捨」「流」「調」の体質の中でチェック数の多いものが自分の体質に近いと考えられます。もちろん、その体質だけを持っているのではなく、複数の体質の中間だったり、他の特徴の一部が含まれていたり、人それぞれに組み合わせが異なります。幸井氏からアドバイスを受けながら、自分の体質を見つけます。

本来の漢方薬のテイスティング体験

自分の体質がわかったら、「補」「捨」「流」「調」の代表的な体質に合わせて調合された漢方薬の試飲です。漢方薬というと袋に入った顆粒剤をイメージするかもしれませんが、実は本来の漢方薬は生薬を煎じて薬効を抽出した液体状のもの。飲みやすい顆粒状の漢方薬が多く流通していますが、顆粒状にする過程で香りなど一部の薬効が消失している可能性があると幸井氏は言います。そのため、幸福薬局では生薬を配合したものを処方し、煎じて飲むことをおすすめしています。

煎じた4つの漢方薬をテイスティングすると、それぞれ、甘さや苦さなど味や香りの特徴が違うことがわかります。液体状の漢方薬を飲むことができる貴重な機会ですが、個人の体質に合わないものもあるので、ここでは味見程度にしておきます。

国際中医薬膳師が手がける薬膳スイーツと漢方茶のペアリングを堪能

漢方薬をテイスティングした後は、お待ちかねのティータイム。幸福薬局で食事指導を行う国際中医薬膳師、幸井由紀子氏手作りの薬膳スイーツと漢方茶を楽しみます。由紀子氏は、幸井院長との共著のレシピ監修のほか、これまで数多くの薬膳レシピを提案しています。

この日のスイーツは「寒い時期に体の中から温めること」を目的に作られた薬膳ケーキ。栗やプルーンといった体を温める食材に、漢方薬にも使われるくるみや生姜などを取り入れた、おいしいだけでなく身体をいたわる贅沢なスイーツです。由紀子氏は本体験には同席しませんが、季節ごとに薬膳ポイントが書かれたレシピカードが付いているので、自宅でも薬膳を取り入れられます。

代表的な4つの体質「補」「捨」「流」「調」は、四季にも当てはまります。たとえば、秋は夏に弱った体を養う「補」の季節。体験日に合わせて作られた薬膳スイーツと、ペアリングされた漢方茶が味わえるティータイムを心ゆくまで堪能しましょう。

美しく健やかな生活を維持する第一歩に

最後に、現在は販売していない14日分の漢方茶をお渡しします。家に帰ってからも、本体験での学びを振り返りながら漢方を試すことができます。幸井氏は、病気になる前に自分の体質や弱点を知っておくことが大切だと言います。漢方入門講座はその第一歩。自身の体質に合った食事や漢方薬を取り入れることで、体調に良い変化が見られることも。対処療法ではなく、病気や不調の原因に根本からアプローチできる漢方や薬膳の考え方に触れることは、健康で楽しい人生を送るヒントとなるでしょう。