桶川「長野工房」人間国宝の技術を受け継ぐ釜師に教わるオリジナル文鎮作り −お抹茶と生菓子付き−
体験の概要
埼玉県桶川市にある「長野工房」。和銑(わずく)と呼ばれる日本古来の地金を使って「茶の湯釜」を専門に手がける、国内でも数少ない工房のひとつです。人間国宝の技術を受け継ぐ釜師であり、アート性の高い茶釜づくりを探求する茶釜作家の長野新氏に直接教わりながら、オリジナルデザインの文鎮を作ります。普段は釜師が制作に打ち込む工房の一角で、臨場感に包まれながらものづくりを体験。制作後には、茶室でお抹茶と季節の生菓子をいただけるOtonami限定プラン。長野氏制作の茶の湯釜でお湯を沸かして点てたお抹茶は、格別の味わいです。
体験の特徴
・茶の湯釜の制作現場である臨場感あふれる工房で、釜師から直接技術を学び、オリジナルデザインの文鎮を制作。
・完成品はペーパーウエイトや置き物として使用できるほか、お湯を沸かす際にやかんに入れておけば鉄分補給にも役立ちます。
・制作後にはOtonami限定で、和銑の茶の湯釜でお湯を沸かして点てたお抹茶と、季節の生菓子をいただきます。
25,000円〜
(名/税込)
1〜5名
約360分
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詳しい内容
和銑を極め、優れた茶の湯釜を生み出す
埼玉県桶川市郊外の穏やかな空気が漂う住宅地に、民家に紛れるようにして建つ「長野工房」。門を入り、敷地の奥にある工房の敷居をまたぐと空気は一変します。天井から下がる溶鉱炉や石造りの乾燥炉、年季の入った道具類が並び、制作現場の臨場感が肌に押し寄せるよう。和銑(わずく)と呼ばれる日本古来の地金を使って茶の湯釜を専門に手がける工房は、全国的に見ても数少ないのだそうです。
もともと平安・鎌倉時代には、茶の湯釜を鋳造するために砂鉄を原料とする和銑が使われていたそうです。これによって生み出された茶の湯釜は耐久性に優れ、手入れしながら扱うことで400年以上もその姿を保つとか。
しかし、明治時代に鉄鉱石の輸入が始まると大量生産しやすい洋銑(ようずく)が主流となり、やがて和銑は途絶えてしまいます。それを約20年の年月をかけて復興させ、重要無形文化財保持者に認定されたのが、初代・長野垤志(てつし)氏。本体験は、その孫に当たる釜師であり、アート性の高い茶釜を手がける茶釜作家でもある長野新(あらた)氏から教わることができます。普段は様々な流派の茶人からのオーダーに応えて茶釜づくりを探究する長野氏とともに、長野家が代々守ってきた和銑によるものづくりを体験しましょう。
自由なモチーフで世界に一つだけの文鎮を制作
本体験で制作するのは、手のひらサイズの鐶付風(かんつきふう)文鎮。鐶付とは茶の湯釜を持ち上げる時に鐶を通す耳のことで、胴の両側に付けられています。モチーフは自由にデザインでき、体験前にデザイン案を考案して当日に臨みます。出来上がりをイメージしながら、思いのままにスケッチしてみましょう。
デザイン案は、制作に入る前に長野氏がチェックしてくれるため安心です。アドバイスをもらいながら、形にしやすいように修正していきます。「間違えても消しゴムで消せるので、ためらわずに手を動かしてみてください」と長野氏。上下左右、バランスを見ながら全体を微調整していきます。
粘土の手触りを楽しみながら原型を作成
高温で溶かした金属を型に流し込み、冷まして固めることで形を作る鋳物。鋳造の工程は、まず粘土原型を作るところから始まります。その粘土原型で石膏型を取り、今度は石膏型に石膏を流し込み、石膏原型を作成。さらに石膏原型をもとに鋳型を完成させます。私たちが行うのは、石膏原型を作る工程まで。それ以降の火を扱う工程は、長野氏にお任せします。
デザインを描く時と同様に、粘土を捏ねるのにも大胆さが必要。手で丸めたり伸ばしたりした粘土を組み合わせ、最初はざっくりと形を作ります。足りないところは小さく丸めた粘土を付け足し、余分なところはヘラで削って……。そうするうちに少しずつ、モチーフのシルエットが見えてきます。
現場で聞く釜師の話に胸が熱くなるひととき
粘土原型を土手で囲んで水に溶かした石膏を流し込んだら、乾燥して固まるのを待ちます。その間に、ご持参の昼食で休憩を。お食事のあとは工房内を見学したり、長野氏に和銑の歴史や制作秘話を聞いたりするのも本体験の醍醐味のひとつ。様々な流派の茶人からオーダーを受け、注文された茶釜を作る職人であると同時に、自らの表現を追求する作家でもある長野氏。山のレリーフを入れた代表作『岳』シリーズをはじめ、作品を前に細かい造形や質感を確かめながら解説を聞くと、感動もひとしおです。
石膏が固まったら、石膏型の出来上がり。今度は石膏型で石膏原型を取るため、剥がしやすいようへこみに剥離剤を塗ったら、制作作業は終了となります。ここからの工程は長野氏に託して、後日、完成品がご自宅に届くのを楽しみに待ちましょう(着払いにてお送りします)。オプションにて桐箱に入れてお送りすることも可能です(別途料金がかかります)。
出来上がった作品は、文鎮として書道をする際に使用できることはもちろん、ペーパーウエイトや置き物としても使用することができます。また、お湯を沸かす際にやかんに入れておけば、お湯をまろやかにし、鉄分補給にも役立ちます。
白湯とお抹茶で和銑が生む味わいを体感
制作のあとは、工房の別棟にある茶室にてお抹茶と季節の生菓子でひと息。長野氏のお母様と奥様がおもてなしをしてくれます。
お湯を沸かす茶の湯釜は、長野氏が和銑を用いて作った作品。お抹茶の前に出してくれる白湯を飲むと、やかんやポットで沸かしたお湯に比べて舌触りがまろやかだと実感できます。
今では希少な存在となってしまった和銑の鋳物。長野工房で現役の釜師に技術を教われば、ものづくりの難しさと楽しさの両方を知ることができます。ひいては、伝統文化の魅力に気がつくきっかけに。釜師が日々技を磨く長野工房で、奥深い鋳造の世界に触れてみませんか。
提供 長野工房
提供
長野工房
砂鉄を炭で精錬した日本古来の地金「和銑」を使い、親子3代にわたり茶の湯釜を制作する工房。初代・長野垤志氏は、途絶えていた和銑による製法を復興させた人物として、重要無形文化財保持者に認定されている。現在は2代目・長野垤志氏とその息子である長野新氏が釜師として活躍。オーダー釜の制作、金工茶道具の修理のほか、歴史ある茶の湯釜の鑑定も行う。
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お客様の声
久しぶりに粘土に触り、すっかり童心に帰った気分でした。両手に力を入れて粘土を捏ね、形を作っているうちに、いつのまにか無心になっていくのが気持ちよかったです。また、先生の作品も間近で見ることができました。その素敵な茶の湯釜でお湯を沸かし、お茶を点ててくださったのも感動しました。
東京都 40代 女性
開催場所
長野工房
〒363-0026 埼玉県桶川市上日出谷823-9
・桶川駅から川越観光自動車「けやき団地ゆき」に乗車。「日出谷郵便局」にて下車し、徒歩約6分。
予約について
催行決定日よりご希望の日付を選択してください
催行日時│月2回程度 9:30~15:30 開催月│4月、5月、6月、7月、 9月、10月、 11月
※日により開始時間が異なる場合があります。詳しくは催行決定日の日付をクリックして、開始時間をご確認ください。
現在ご予約が可能な催行日がございません。
即時予約
リクエスト予約
残数僅か
受付終了
開催なし
〇即時予約は、Otonamiサイト上で予約が完了した時点で予約が確定します。
□リクエスト予約は、お客様のリクエストに沿って空き状況を確認、後日予約の受付可否をご連絡します。
料金
25,000円(名/税込)
料金に含まれるもの 体験料、講習料、材料費、施設利用料、見学料、お茶・お菓子
※送料は料金に含まれません、詳細は現地にてご確認ください。
〈オプション〉
・桐箱に入れてお渡し
+1,500円(税込)
※オプションは当日現地でのご購入も可能です。
催行人数
1回5名限定
※1名からご予約いただけます
体験の流れ
1.長野工房に集合(体験開始の10分前にお越しください)
2.文鎮デザインの確認
3.ランチ
※ご持参ください。お車でお越しの場合、5分ほどの場所にお食事処があります。
4.石膏原型作成
5.茶室にて呈茶体験
6.茶釜の歴史や茶道の流派、茶道具についてのお話
7.石膏原型作成
8.解散
※上記の流れは目安です。当日の状況によって変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
キャンセルポリシー
開催168時間前を過ぎてのキャンセル:ご予約料金の100%
お持ち物
昼食、エプロン(ご希望の場合)、タオル、靴下
作成したいデザインをご用意のうえご持参いただけますと、当日スムーズに作業ができます。
※詳細はご予約後の「確認メール」に記載しております。
服装
汚れてもよい服装でお越しください。
茶室での呈茶があるため、靴下をご持参ください。
お支払方法
クレジットカードでの事前決済となります。
参加条件
18歳以上
予約期限
開催日の7日前まで。
特記・免責事項
・油粘土や石膏を使用するため、アレルギーのある方はご遠慮ください。
・完成品のお届けまでは通常2〜3ヶ月ですが、時期によってはもう少々お時間いただく場合がございます。
・やむを得ない事由により中止になる場合がありますのでご了承ください。
よくあるご質問
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