オリジナルの発色が美しい江戸硝子に定評
東京スカイツリーがよく見える江戸川区平井。その地に佇む「中金硝子総合株式会社」が創業したのは1946(昭和21)年のこと。都内でも数少ない、江戸硝子を製作する工房です。同社が考案した「中金色被せ(いろぎせ)ガラス」は、色の異なる2種類のガラスを重ねて吹いて作られたもの。「空」「藍」「桜」といった様々な色の組み合わせから生まれる美しさに、自然と心が奪われます。細工を施しやすい上質なガラスは、切子職人を唸らせるクオリティ。自社で切子を施したお猪口やグラスなど、数多のガラス製品も世に送り出しています。
吉兆を表す柄で彩られた江戸硝子のうつわ熟練の職人が作る伝統工芸品
江戸硝子の歴史は江戸時代にさかのぼり、今では伝統工芸品としても人気を博す一品。中金硝子では「宙吹き」「型吹き」の技法によって、熟練した職人が一つひとつ手作りしています。そんな手間暇かけて作られた上質なガラスをダイヤ盤にてカットし、亀甲や菊などの文様を施したものが“切子”。江戸時代は無色のガラスに切子を施していましたが、現在は青・赤・緑と様々な色ガラスが使われるように。カットされたガラスは、光を通すと濃淡のある美しい影を生み出します。
工房で一つひとつ時間をかけて作られる江戸硝子切子体験の前に、職人が江戸硝子を作っている様子を動画でご覧いただきます。2人1組でタイミングを合わせながらガラスを2層に重ねていく姿は、まさに職人技。解説を聞くことで、体験で手にする江戸硝子への愛着がさらにも増していくことでしょう。日によっては、実際に工房を見学できることもあります。
古典柄を生み出す割り出し
8オンスグラスの色は、人気が高い「透空(とうそら)」と「透緑(とうりょく)」の2種類からお選びいただけます。「透空」は透明なガラスと空色のガラスを、「透緑」は透明なガラスと緑のガラスを2層に重ねたもの。どちらも奥行きのある色合いが目を引きます。
切子を施す前(右)と施した後(左)そして美しい8オンスグラスに施すのは「格子」と「玉切子」と呼ばれる古典的な文様。切子は下絵を描かず、カットする目安となる線のみをガラスに描くところが特徴。この作業を「割り出し」と呼び、職人に教えてもらいながら縦線と横線をペンで描いていきます。
自らの手で切子を施す貴重な体験
割り出しで描いた線を目印に、ダイヤ盤の回転する刃にグラスを当てカットしていきます。まずは「荒摺り」と呼ばれる工程を、職人のお手本を見た後に実際にチャレンジ。同社の江戸硝子は切子用に薄く作られているため、力を込めなくともスッと切り込みが入り、切子の直線的な文様がこのような工程を経て作られることがよくわかる瞬間です。
刃を当てるとグラスが削られ、色が変化していく様子がわかる削った部分を磨く「カッチング」の作業に移ると、カットされた部分が徐々に透明に。なかでも江戸切子ならではの”菊底”を、美しく反射するよう入れられる切子体験は非常に希なもの。少しずつ文様が完成していく様子に、手作業ならではの達成感を得られるでしょう。
日常に彩りを与える「私だけの一品」
切子を施したグラスは、熟練の職人がさらに磨きをかけて仕上げます。完成品は、体験後10日〜2週間で完成品をお手元へ。世界にたったひとつだけのグラスは、飾るもよし、食卓に並べるもよし。普段使いの切子の器を目指している中金硝子のグラスは、毎日の食卓を鮮やかに彩ってくれることでしょう。
宙吹き・型吹きの技法を江戸硝子を作る熟練した職人