内閣総理大臣賞受賞の水彩画家・小野月世氏と楽しむ水彩画の基本 −アルテリーベ横浜本店にて−

ノスタルジックなアルテリーベ横浜本店で出会う水彩画の魅力

日本大通り駅からすぐの場所にある「アルテリーベ横浜本店」。銀杏並木が美しい大通りでひときわ目を引く建物は、1929（昭和4）年に旧横浜商工奨励館として建てられ、1998（平成10）年に横浜市の歴史的建造物に指定されました。“古きを愛す”という意味が込められた店名の通り、館内はノスタルジーあふれる映画の世界のよう。本プランの舞台となるのは、アルテリーべがウェディングシーンのみにおいて開放する、本店向かいの建物2階にある特別な個室「ローズルーム」。ここを貸し切り、人気水彩画家・小野月世氏による水彩画レッスンを体験します。

両親が共に美術教師という環境で、幼少期から自然と絵を描きながら育ったという小野氏。大学院で日本画を学んだのち水彩画を描きはじめ、2005（平成17）年には日本水彩展で内閣総理大臣賞を受賞しました。現在は日本水彩画会の理事や女子美術大学の非常勤講師を勤めながら、多くの個展やグループ展に出展するなど幅広く活躍。その淡い吐息のような優しい彩色と透明度が美しい小野氏の水彩画は、見る者を魅了し続けています。

3つの色で作る無限の色彩世界

水彩画に用いる絵の具は「透明水彩絵の具」と呼ばれるもので、塗り重ねてもみずみずしさと透明感が失われず、美しい色の重なりを表現できるのが特徴です。本プランでは、「色の三原色」と呼ばれる赤・黄・青（明るい色味と深い色味）の絵の具を使い、混ぜる割合を調整しながら自分で色を作ります。「水彩画の最大の魅力は、その透明感。そして混ぜて作った色にその人の個性が出るんです」と、小野氏は水彩画の奥深さを話します。

水彩画について理解を深めたら、いよいよ色を塗ります。本プランでは、下絵のデッサンの難しさを考慮し、あらかじめ下絵が描かれた水彩紙を用意。塗り絵のように色を施していくので、絵を描くのが苦手でも安心です。また、下絵のデザインは小野氏の作品の代名詞である花をモチーフにしたものが月替わりで登場。繰り返し参加しても新鮮に楽しめます。

水彩画ならではの繊細な表現を体験する

はじめに、小野氏によるデモンストレーションに習いながらベースとなる色を全体に塗ります。その後、色が薄い部分から濃い部分へと混色を繰り返しながら色を塗っていきましょう。筆を持つのに慣れていなくてもご心配なく。筆の持ち方から塗り方のコツ、混色の塩梅まで、小野氏が丁寧に指導します。

水彩画レッスンで体験できる楽しみのひとつが、「にじみ」や「ぼかし」といった水彩画ならではの表現技法です。「自分が想像した通りにならないのが面白さ」と小野氏。 筆に含ませる水の量や紙の乾き具合を考慮しながら、にじみやぼかしを加えていきましょう。真剣に絵と向き合ううちに、心地よい集中力が湧いてきます。

光と影が生み出す優美な立体感

最終工程では、絵の中で最も色濃い部分である「影の色」を乗せます。花びらの重なった部分や花冠の後部に影を描いたとたん、色のコントラストが光と影となり、モチーフに立体感が生まれます。繊細な箇所もありますが、小野氏のお手本を見ながら最後まで丁寧に描きましょう。完成した作品は、紙製の額に入れて当日に持ち帰り可能。体験の思い出として、ご自宅に飾って楽しみましょう。

体験の最後は、アルテリーベが手がける月替わりのケーキまたはキッシュに舌鼓を打ちながらのティータイム（※）。四季折々に表情を変える美しい銀杏並木を眺めながら、格別のひとときを過ごすことができます。レッスンで感じたことなど、会話にも花が咲くことでしょう。

※午前クラスはキッシュ、午後クラスはケーキとなります。いずれも紅茶またはコーヒーが付きます。

日常に散りばめられている「美しい絵」

日々の暮らしのなかで美しい場面や場所に出会った時、ふと口をついて出る「絵になる」という言葉。それこそが、私たちの誰もが「美しい絵」が好きだということの表れなのかもしれません。小野氏の手ほどきによって出会う水彩画の世界は、何気ない日常のなかにある「絵になる」シーンを感じ取る力を磨くきっかけとなるでしょう。本体験を通して、自分磨きのひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。