
【終了しました】季節のお茶とお菓子で一煎の涼を感じる「ゆかた茶会」−両国・回向院 念仏堂にて−


体験の概要
玉露や煎茶などの茶葉を、急須を用いて淹れる煎茶道。その魅力を広く伝える煎茶道方円流・蓮江倖園氏が毎年夏に主催する「ゆかた茶会」を、2025年8月2日(土)の1日限りで開催します。会場は、江戸時代初期から両国と共に歴史を歩んできた寺院「回向院」。華やかな天井画が広がる念仏堂1階では、玉露の冷茶と特注のお菓子を味わいます。また2階では、世界的に活躍する日本画家・千住博氏による襖絵『浄土の滝』を眺めながら、六林会がもてなす抹茶席を満喫。涼やかな竹林に囲まれひととき暑さを忘れ、心穏やかな癒しの時間を過ごしましょう。
体験の特徴
・煎茶道方円流・蓮江倖園氏が主催する夏の恒例イベント「ゆかた茶会」。東京・両国の回向院にて1日限りで開催します。
・冷たい玉露と温かい抹茶をご用意。この日のためだけに作られたオリジナルの和菓子と共においしいお茶をいただきます。
・正座をしない立礼席(椅子席)での体験。浴衣や着物でのおでかけはもちろん、洋服でも気軽に参加できます。
7,700円〜(名/税込)
1〜30名
約60分
詳しい内容
煎茶を最もおいしく、そして楽しくいただくための煎茶道
日本の茶道には、茶道と煎茶道の2種があります。このうち煎茶道は、中国の明の時代に文人たちが煎茶を味わいながら芸術を嗜んだ「煎茶趣味」が、江戸初期に隠元禅師によってもたらされたのが始まりと伝わります。その後、日本の文人や画家たちの間で流行し、明治〜大正時代になると一般にも広がりました。

煎茶道方円流は「水は方円の器にしたがう」という言葉に由来する流派で、おいしいお茶を淹れ、味わうことを通して美しい所作を身につけ、心の内面を磨くことを念頭に、互譲の精神を後世に伝えています。「ゆかた茶会」を主催する蓮江倖園(はすえこうえん)氏は、裏千家十五世家元・鵬雲斎に師事した後、煎茶道方円流を学び、現在は煎茶道方円流・東京東支部長を務めています。煎茶道の魅力を広く知ってもらいたいと、四季折々に趣向を凝らした茶会を開催しています。

江戸の情緒と現代の息吹が交差する街・両国の回向院で開催される「ゆかた茶会」
ゆかた茶会は、「経験も年齢も関係なく、誰でも気軽に煎茶道に触れられる機会をつくりたい」という蓮江氏の発案により始まったもの。2025年で24回目を数え、夏の恒例行事となっています。例年、由緒ある特別な場所で開催されており、今年は東京・両国の回向院(えこういん)が会場です。

回向院は、江戸時代初期から現在に至るまで街の歴史を見守ってきた両国を象徴する寺院。「振袖火事」の名で知られる江戸最大の大火で失われた、約10万人以上もの御霊を弔うために建立されました。境内には、大相撲との深いつながりを示す石碑や龍の天井画が圧巻の本堂など、歴史や文化を感じられる場所が点在。ゆかた茶会の前後に境内を散策し、回向院の雰囲気を楽しむのもおすすめです。

今年のゆかた茶会を行う「念仏堂」は、寺院としては珍しくグッドデザイン賞を受賞した建築。都会的な建物構造や随所に散見するこだわりの意匠、メッセージ性のあるアートなど見どころが豊富。「お寺は古来から当時の最先端技術でつくられてきたので、現代的な建築でも意義があります」と、回向院の住職は語ります。
今回は念仏堂の1階と2階を貸し切り、それぞれ趣の異なる空間で2席を楽しめます(※)。日本画家・石踊達哉氏作の天井画『四季の華』が広がる1階では、煎茶道方円流による冷たい玉露とお菓子を味わう茶席を満喫。2階では、六林会(ろくりんかい)がもてなす抹茶とお菓子をいただきます。
※1席15名ずつの入れ替え制となります。

冷玉露と共に和菓子を味わい、心をうるおす
1階で行われる茶席では、蓮江氏が率いる煎茶道方円流の方々がおもてなし。抹茶をいただく茶の湯とは異なり、煎茶道では季節によって様々なお茶を味わいます。玉露や煎茶だけでなく、ほうじ茶や紅茶といったなじみ深いお茶も用いられ、気軽にお茶を楽しめるのが特徴。ゆかた茶会では、残暑厳しい8月によせて冷たい玉露をいただきます。

ゆかた茶会のもうひとつの楽しみは、この日のためだけに用意されるお菓子です。蓮江氏が今回の茶会のテーマに合わせて自由が丘「蜂の家」へ特別にオーダーするもので、理想の仕上がりまで何度も試作。例年のゆかた茶会の参加者には、美しいお菓子を心待ちにされている方も多いそうです。

竹の空中回廊と青い襖絵に囲まれ、涼を感じる抹茶席
念仏堂の2階では、六林会がもてなす抹茶とお菓子を味わいます。会場には、“あらゆるかなしみを洗い流そう”という意味が込められた、千住博氏による青い『浄土の滝』が描かれた襖が並びます。1階にあるモノトーン作品との違いを感じられるでしょう。

また、参道から続く竹林をイメージした空中回廊には、七宝樹林に見立てた108個のスワロフスキーが連なる数珠柱が、50本以上飾られています。1本ごとに大玉が1つあり、その中には回向院の尊像が彫られているそう。モダンで静粛な空間にて涼を感じながら、抹茶とお菓子を楽しみましょう。

お茶を通じて日本の伝統文化に触れる
「日頃お茶の世界と接点がない方にこそ、気軽に参加できるゆかた茶会でお茶の楽しさを知ってほしいです」と蓮江氏。ゆかた茶会では、見どころのひとつである茶席の室礼や趣向について、さらには茶葉の特徴やお茶のおいしい淹れ方についても解説があります。体験後は、蓮江氏のお話を振り返りながら、丁寧にお茶を淹れてみたくなることでしょう。

ゆかた茶会と銘打ってはいるものの、もちろん洋服で参加してもかまいません。例年およそ半数の方は洋服で参加しているとのこと。浴衣や着物をお持ちの方は、ぜひ着付けをしてお越しください。近くには隅田川が流れ、江戸情緒を感じられる落ち着いた雰囲気の両国を、体験後に散策するのも良いでしょう。ゆかた茶会を通して日本伝統のお茶の世界に触れ、暑さのなかに一煎の涼を感じる心安らぐひとときを過ごしてはいかがでしょうか。

提供 煎茶道方円流 蓮江倖園

提供
煎茶道方円流 蓮江倖園
裏千家東京道場にて十五世家元・鵬雲斎に師事。結婚・出産を機に一時中断、その折に触れた煎茶のおいしさに感動し、改めて煎茶道に入門。煎茶道方円流にて指導を行うほか、国内外で茶会を開催し、煎茶道の魅力を伝えるために尽力。2008年より煎茶道方円流 東京東支部長を務める。
提供 回向院

提供
回向院
「振袖火事」と呼ばれる江戸時代初期の大火「明暦の大火」で犠牲になった約10万人以上を弔うために1657年に開創。有縁・無縁、人・動物にかかわらず供養する寺院として知られ、両国を代表する名所のひとつ。大相撲との関わりも深く、江戸時代には境内で勧進相撲が開かれ賑わいをみせた。六大浮世絵師にも数えられる鳥居清長の作品も所蔵。
開催場所
回向院
〒130-0026 東京都墨田区両国2-8-10
・JR 両国駅(西口)より徒歩約3分
・都営地下鉄大江戸線 両国駅より徒歩約10分