名古屋「彩盆の間」サイフォン専門店でお茶の香りと盆栽のある景色を楽しむ【日本茶プラン】

世界を牽引するサイフォニストが生み出す「サイフォン×盆栽」の新体験

名古屋駅から歩くこと約10分。2023年にグランドオープンした「彩盆の間（さいほんのま）」は、サイフォンと盆栽という異色の組み合わせをテーマにした店。監修するのは、国内外においてサイフォンの第一人者といわれるサイフォニスト・中山吉伸氏。サイフォンとは、理科の実験道具のような形をしたコーヒー抽出器具のこと。19世紀初頭にヨーロッパで生まれ、大正初期に日本に伝わり、やがて国産のサイフォンが作られるようになりました。昭和後期になると、喫茶店ブームと共に広く親しまれたそうです。

サイフォニストとは、サイフォンを使ったコーヒー抽出のスペシャリストのこと。中山氏は、サイフォンコーヒーの日本一を決める「ジャパン サイフォニスト チャンピオンシップ」にて国内史上最多優勝、世界大会では2位の実績を誇ります。多くのサイフォン愛好家やコーヒー好きから支持され、「サイフォンゴッド」と呼ばれることもあるのだそう。

彩盆の間という店名は、「盆の上を彩る」というコンセプトを「サイフォン」に当てて命名。サイフォンで淹れたドリンクと、和の趣あふれる盆栽という異色の組み合わせを楽しむことができます。本体験では、中山氏をはじめとするサイフォニストがサイフォンの歴史や抽出方法を直々にレクチャー。一杯を丁寧に淹れるという日本文化に寄り添う日本茶を、小さな盆栽を愛でながらオリジナルスイーツと共に味わいます。

五感でサイフォンの世界を知る

まずはサイフォンについての基礎知識から。その歴史から抽出に使う道具まで、なかなか知る機会のない内容ばかりです。海外で生まれ、日本で育まれたサイフォン技術。その場でサイフォンを使ってお茶を淹れながら解説してもらえるので、心地良い音や香りなどに五感が刺激されます。なお、中山氏が講師を務める日もあれば、他のサイフォニストが担当する場合もあります。

レクチャーが終わったら、講師がサイフォンで淹れた日本茶の試飲。サイフォニストが淹れたお茶は、渋味が少なくまろやかな味わい。普段何気なく飲んでいるお茶との違いに驚くかもしれません。

ひと手間に心ときめくサイフォンでの抽出体験

サイフォニストがサイフォンで抽出する所作は、まるで舞台を観ているかのよう。本プランでは、実際にサイフォンを使った日本茶の抽出体験もできます。直接プロのサイフォニストから学び、自分なりの一杯を淹れて楽しんでください。

サイフォン抽出では、フラスコでお湯を沸かし、茶葉を加えて攪拌、抽出されるのを待ちます。工程はシンプルですが、ちょっとした攪拌具合で風味が変わります。人には真似できない、自分ならではの香りや風味と出会えることでしょう。

お茶と盆栽が織り成す、その日にしか出会えない一期一会の景色を堪能

体験のクライマックスは、彩盆の間が提唱する“アンサンブル”（香りと感性のペアリング）を体感するティータイム。サイフォンで淹れた日本茶と盆栽をテーマにしたスイーツを、小さな盆栽を愛でながら味わいます。盆栽を添えるのは、日本茶の香りの個性を景色として楽しんでほしいという想いから。単なるペアリングとは一線を画したアンサンブルを堪能しましょう。

スイーツは店の人気メニュー「盆彩たっぷりん」。盆栽に見立てた、遊び心にあふれるプリン研究所監修のオリジナル自家製プリンです。通常は1日10食限定で提供され、開店直後に売り切れてしまうことも。Otonamiプランでは特別に必ず味わうことができます。プリンは季節によって味わいなどが少しずつ変わっていくとか。上品な甘さが、日本茶によく合います。

サイフォンで淹れたお茶、盆栽に見立てたスイーツ、そして可愛らしいミニ盆栽。それらが並ぶ様子は、まるで卓上に小さな庭園ができたかのよう。盆栽は日によって変わるため、その景色が見られるのは一度きりです。それぞれの配置を変えることによって生まれる様々な陰影の表情も楽しんでみてください。

彩盆の間で過ごす癒しのひととき

さまざまな器具を使い、いくつもの手順を踏んだサイフォンで淹れたお茶。一つひとつの工程の意味を感じながら時間をかけて淹れられるからこそ、その味わいは格別に感じられます。サイフォンと盆栽が出会うことで生まれる唯一無二のひとときを、彩盆の間でお楽しみください。