名古屋「植田ラティス」シングルオリジンティーのブレンド体験 −紅茶講座とアフタヌーンティー付き−

国内でも数少ない「シングルオリジンティー」の専門店

「シングルオリジン」と聞いて、ブレンドされていない単一の産地や農園のコーヒーを思い浮かべる方は多いでしょう。実は紅茶にも、シングルオリジンの茶葉があります。エリアや茶園、グレード、収穫年度が明示されたシングルオリジンティーは、産地や品種、つくり手などの茶葉本来の個性が生かされ、豊かな香りや味わいを楽しめるのが特長。なかでも無農薬で栽培している茶葉は、年によって味が変化したり、栽培量が少なかったりするため、なかなか市場ではお目にかかれない希少な紅茶です。

植田ラティスは、希少価値の高い産地直送のシングルオリジンティーを楽しめるティールーム。店主・奥村裕美子氏が世界中をめぐって出会い、その味に惚れ込んだ茶葉を、常時約80種類そろえています。

奥村氏が紅茶の世界に足を踏み入れたのは、約30年前。当時行っていた広告代理業の一環で、紅茶のプロデュースに携わったことがきっかけでした。以降、紅茶の専門家としての道を歩み出し、植田ラティスをはじめとしたティールームを開設。その深い知識と淹れる紅茶の味わいを評価され、過去には、日本の皇族や芸能人、スリランカの大統領に紅茶を振る舞ったこともあります。

イギリス流の紅茶にまつわる「ティースピーチ」に耳を傾ける

体験の幕開けは、奥村氏が座学で行うティースピーチ。紅茶のおいしい淹れ方や茶葉の保存のコツといった身近な話題から、国内外の水や湿度の違い、興味深い紅茶の歴史まで。紅茶という1杯の飲みものから始まる、壮大な「お茶の旅」を楽しめます。茶葉とお湯があれば手軽に淹れられるからこそ、茶葉や道具、手順一つひとつに気を配ることの大切さも、あらためて知ることができるでしょう。

その後は、実際に自分で紅茶を淹れてみましょう。奥村氏のレクチャーのもと、ティーポット1杯分の紅茶をつくってティーカップに注ぎ、ゆっくりと味わいます。茶葉の量、お湯の量、複数のティーカップに紅茶を注ぐ順番などに意識を向けながら淹れてみると、茶葉が持つ香りや味わいが豊かにふくらむ様子がわかるはずです。

ひとさじごとに思いを込めて、茶葉の組み合わせを探究する

紅茶の魅力を再認識できたら、オリジナルブレンドティーづくりに挑戦。奥村氏が厳選したシングルオリジンの茶葉を組み合わせて、バランスを探究しながら自分好みの1杯をつくります。茶葉は店のラインナップの中から、季節ごとのテーマに合う5種類をセレクト。訪れるたびに新たな発見があります。

組み合わせる茶葉の種類や量に正解やルールはなく、気の向くまま自由に選び取ることができます。もちろん、テイスティングも可能。茶葉の形や表情、香りを確かめ、淹れたときの色や味わいも試しながら、様々な観点でお気に入りを見つけて、その日だけの味わいをつくり上げましょう。「飲んだときにこんな気持ちになりたい」といったように、飲んだ後の心情を想像しながらブレンドするのも良いかもしれません。

完成した紅茶とともにアフタヌーンティーを楽しむ

お気に入りの一杯が出来上がったら、アフタヌーンティーの時間。紅茶とコーディネートされた、季節替わりのお菓子やサンドイッチが登場します。自分でつくり上げた紅茶をたっぷり淹れて、お茶会を楽しみましょう。

お菓子やサンドイッチはどれも優しい味で、芳醇な紅茶との相性もぴったり。目で見て楽しみ、バラエティーに富んだフードや完成したばかりのオリジナルブレンドティーを味わい、講師や参加者同士でおしゃべりをして……と、心身ともに満たされるティータイムを過ごせます。昼食は軽めに済ませておくことをおすすめします。

※ブレンドティーだけでは足りない場合、ご希望またはおすすめの紅茶も提供します。

身近な存在の紅茶が持つ、新たな魅力に触れる体験

紅茶は簡単に手に入り、お湯さえあれば楽しめる手軽さが魅力です。しかし、一般にあまり流通しない希少な茶葉ならではの香りや味わい、使う道具を工夫したり、手順を変えたりするだけで仕上がりも様変わりすることを知れば、印象も一変。その日の気分や体調、季節などに合わせた楽しみ方も体得できるはずです。

オリジナルブレンドティーづくりも、“今日この日の味”を持ち帰ることができると思うと特別感が増します。茶道の世界で言われる「一期一会」は、紅茶をブレンドしたり味わったりするときにも共通すること。何気ない日常を潤すとっておきの1杯を見つけに、参加してみてはいかがでしょうか。