香りのデザイナーに学ぶ季節を感じる香りづくり −九段下「kudan house」にて−

歴史ある名建築のなかで香りに親しむひととき

体験の舞台は、東京・九段下にある登録有形文化財の邸宅 kudan house（九段ハウス）。旧山口萬吉邸をリノベーションした建物は、3人の著名な建築家（内藤多仲、木子七郎、今井兼次）により1927（昭和2）年に竣工しました。美しい曲線を施したデザインと、鉄筋コンクリート造建築物の黎明期に建てられた、日本の歴史に残る名建築です。

館内には、財界人として活躍していた山口萬吉こだわりの家具や装飾品が並びます。また、テラスやスクリーンポーチなど半屋外の空間も。都会にありながら、四季の移り変わりを肌で感じることができます。Otonami限定のプランでは、緑豊かなkudan houseにて、香りの専門家・深津恵氏から手ほどきを受け、季節に合わせた調香を学びます。

香りの専門家に学ぶセンティングデザイン

本体験の講師は、香りの専門家でA Greenのセンティングデザイナー・深津恵氏。これまでオリジナルの香りを数多く制作し、グローバル企業と共に、空間に合わせた香りをデザインするプロジェクトを手がけてきました。近年は講演やセミナーに力を入れ、大学で教壇に立つなど、香りの文化を広げるべく国内外で活躍しています。

大分県日田市で林業を営む家に生まれ、幼い頃から自然の良い香りに包まれた環境で育ってきた深津氏。緑豊かな森の中で暮らしていたときの記憶を活かし、天然の植物から採れた香原料のみを使用しています。深津氏がこだわりを持って選んだ“本物の香り”で、季節に合わせたオリジナルの調香ができる貴重な機会です。

まずは香りのセッションから。深津氏が香りの専門家になった背景や、センティングデザインを考えるきっかけとなる「香道」について深掘りします。香道は「香りを聞く」と表現され、空間に香りを漂わせたり着物に香りを焚きしめたりと、貴族たちの間で嗜まれてきました。香りにまつわる雅なストーリーを聞きながら、いにしえの文化に想いを馳せましょう。

季節に合わせた繊細な香りを心ゆくままに感じて

セッションの後は、深津氏選りすぐりの香原料を鑑賞する贅沢な時間。季節をテーマにセレクトされた香りのなかには、その時季にしか出会えない希少なものも。数種類ある植物の香りを、採れた場所とあわせて説明してもらえるため、香りへの理解が深まります。窓の外に自然が広がる心地よい空間で、旬の香りを楽しみましょう。

本プランの魅力は、深津氏が季節に合わせてセレクトした天然の香原料を用いて、自分に合った調香ができること。まずは、自分がいま求めている香りを見つけられるようワークシートで自己分析。どんな時に、どんな香りで、どんな気分になりたいか、自分自身に問いかけながら記入していきます。

心地よい香りが誘うオリジナルの調香体験

自分を見つめるワークを終えたら、いよいよ調香の時間。深津氏による丁寧なデモンストレーションがあるので、香りづくりがはじめての方でも安心です。季節をテーマに用意された数種類の香りのなかから、自分好みの香りを選ぶ至福のとき。深津氏にアドバイスをもらいながら、自分が心地よいと感じる香りに調えていきます。

完成した自分だけの香りは、アロマスプレー（50ml）として持ち帰り可能。自宅に帰ってからも、今の自分に寄り添った香りを楽しめます。

四季を感じる特別な空間で、一期一会の調香体験

自分だけの香りが完成したら、kudan houseの一室でくつろぐフリータイム。都会にありながら、四季の移り変わりを肌で感じられる空間で、自分でつくった香りに浸ります。日常から離れて、心と身体を癒す香りづくりを体験してみてはいかがでしょうか。