美術作家・亀井紀彦氏と共に作る花を使ったアートオブジェ −六本木・g KEYAKIZAKAにて−

どこか懐かしい美しさをたたえた雄大な景色

北鎌倉駅の近くに構えるアトリエ＆ギャラリー「雨 北鎌倉」を拠点に、国内外で精力的に活動している美術作家・花道家の亀井紀彦氏。絵の具に情熱を込めて絵を描くように、花という存在に自身の創作テーマである「儚さと美しさ」を託し、壮大な自然の景色を凝縮した和の美意識を感じる作品を制作し続けています。

亀井氏が手がけるアートプロダクトブランド「雨 ame」は、生花やプリザーブドフラワー、布などで作られたアートフラワーを使用し、存在しない色鮮やかな風景を目の前に生み出します。

本プランは、亀井氏から直接手ほどきを受けながら「雨 ame」の新作となる〈箱庭〉を制作するOtonami限定のワークショップです。亀井氏の作品としての〈箱庭〉は大小サイズがあり、今回制作するのは小サイズ（60×60×31mm）。手のひらに収まる正方形の桐箱の中に色とりどりの花を挿し、鮮やかで美しい雄大な風景を愛でる作品です。

六本木の落ち着いた空間で〈箱庭〉を制作

体験会場は、六本木けやき坂通りに面した六本木ヒルズ内の「g KEYAKIZAKA（ジー ケヤキザカ）」。こだわりの視点で選んだプロダクトを季節やその時々のテーマに合わせて展開するギフトショップです。亀井氏の作品も展示販売されているので、気に入ったものがあれば購入可能です。

洗練された空間で、自分だけの〈箱庭〉の制作に打ち込む……。日常から離れて作品に向き合うことで心が凪いでいく様子を感じられる、贅沢な時間を過ごすことができます。

色とりどりの美しい素材に触れる癒しのひととき

はじめに亀井氏から、素材の選び方や扱い方、制作のコツなどの説明を受けたら、素材となるプリザーブドフラワーやドライフラワーを選んでいきます。その時に心から素敵だと思った色を選ぶことで、他の誰でもない“自分”という存在がくっきりと際立つような不思議な感覚を得られるかもしれません。

どのように素材を選んでいいかわからない場合は、まずはどんな色の花をメインに使いたいかを想像して1〜2色選びます。そこから先は亀井氏のアドバイスのもと、メインカラーとのバランスを考えながら連想ゲームのように様々な色を挿してみます。「合わない」と思い込んでいた色同士が互いを引き立て合うような、驚きの色彩美を感じられるでしょう。

和のエッセンスを感じる色彩の美しさ

紺碧、朱色、浅葱色、蘇芳色など、日本文化特有の色彩感覚に基づいた伝統的な色を「日本の伝統色」と呼びます。日本人は古くから微細な色彩の違いと調和を愛し、平安時代の女性の正装であった十二単には、異なる色の衣を重ねて美しいグラデーションをまとう「襲の色目（かさねのいろめ）」という伝統色の配合があったとされています。

「〈箱庭〉の色彩の美しさは、襲の色目のように古くからある日本の色彩感覚に通じるものだと思います。意外な色合わせが成立する驚きと調和の美しさを、この体験を通してぜひ感じてほしいです」と亀井氏は話します。

想像力をかきたてるクリエイティブな体験

体験後には、完成した〈箱庭〉を眺めながらほっとひと息つけるティータイム。厳選された国産無農薬栽培の茶葉を使用し、茶葉ごとに最適な抽出条件で作られた最高品質のボトルドティー「The D’or（テドール）」をいただきます。亀井氏による作品解説を通して創作への想いに触れ、ご自身で制作した〈箱庭〉の写真撮影を楽しみましょう。

〈箱庭〉は、桐箱がフレームのような役割をしていることによって、他の世界につながっている小さな入り口のようにも感じられます。色とりどりの花材を選んで自分だけの〈箱庭〉と向き合う時間は、心が穏やかになる瞑想のよう。眠っていた想像力が呼び起こされるような創作体験を、ぜひお楽しみください。