「Bar LIBRE GINZA」ちゐず懐石とカクテルのペアリング＆世界に一杯のカクテル作り

銀座の隠れ家バーで日本流「アペロ」を体験

日本のバー文化の中心地・銀座に構える「Bar LIBRE GINZA（バー リブレ 銀座）」。熱帯植物が広がる店内に星空に見立てたライトが瞬き、まるでジャングルにいるような気分に浸れるオーセンティックバーです。

15時から営業する店内には、仕事の合間にカフェ感覚で訪れるお客様も。早い時間にオープンしている理由は、「夕食前にお酒とおつまみを楽しむフランスの食習慣・アペロのように、日本でもバーを気軽に楽しんでもらいたいから」と代表取締役の清崎雄二郎氏は話します。

Bar LIBRE GINZAが提供するアペロは、6種類のチーズ料理とカクテルを楽しめる「ちゐず懐石」。チーズに合わせるお酒といえばワインが定番で、カクテルとのペアリングは世界でも異例といわれています。また、料理とお酒の魅力をいっそう引き立てるのは、作家によるうつわの数々。ジャングルのような空間であえて作家のうつわを使っているのは、日本に昔からある「懐石料理」へのリスペクトを込めているから。これまでの常識にとらわれないチーズとカクテルの新たな可能性を提案しています（「ちゐず懐石」のメニューは季節により変更）。

体験の締めくくりは、Otonami限定の「エスプレッソマティーニ」作り。シェーカーを格好良く振り、自分だけのオリジナルカクテルを堪能します。味わいの違いを知ることで、カクテルの奥深さをお楽しみください。

チーズとカクテルの可能性を引き出す「ちゐず懐石」

ちゐず懐石の考案者であるバーテンダー・佐藤創氏は、C.P.A.チーズ検定の資格を持ち、他のバーテンダーも一目置くほどのチーズ好き。ちゐず懐石には佐藤氏がこだわり抜いたチーズをすべての料理に使用し、最も味わいが引き立つよう計算されたカクテルと合わせて提供します。会話を交えながら料理をダイナミックに仕上げる様子を目の前で見られるのは、カウンターバーの醍醐味です。

席に着いたら、まずは「ウェルカムジャングルカクテル」で乾杯。「歓迎」の意味をもつパイナップルの花から着想を得て、パイナップルジュースとスパークリングワインを合わせた、ちゐず懐石専用のスペシャルカクテルです。続く先付けは「チーズのお出汁」。イタリアを代表する高級チーズ、パルミジャーノレッジャーノを低温約38℃で2時間煮出し、塩と黒胡椒のみで味付けしたシンプルな一品。食事前にお腹をあたため、胃腸への刺激を軽減してくれます。

口の中でマリアージュすることで完成する、驚きの新感覚料理

ここからはいよいよ料理の登場です。目の前で削られるチーズの量に驚く「生ハムとメロン パルミジャーノレッジャーノ」は、トロピカルな味わいのチーズに合わせてカクテルもフルーティーに。ブラジル原産の蒸留酒・カシャッサに、桃やリンゴ、ベルガモットを合わせた「ブラジリアンフィズ」は、白ワインを思わせるテイストで、コースの序盤に適した一杯です。

2品目は「マルゲリータ」。ピザが出てくるかと思いきや、Bar LIBRE GINZAのちゐず懐石はひと味違います。瞬間燻製したコンテというチーズでピザ生地のサクサク感を再現し、トマト風味のカクテル「嘘の白ワイン」を合わせることでピッツァ・マルゲリータの味が完成。この新感覚はぜひ舌の上でお楽しみください。

フルーツをふんだんに使った華やかな一品

パルミジャーノレッジャーノやコンテは誰でも食べやすいチーズですが、後半は徐々に個性の強いチーズが登場します。「エポワスといちごのカプレーゼ」には、フランスのブルゴーニュ地方発祥のチーズ・エポワスの渋みに負けないように「カシスほうじ茶」をペアリング。芳醇な香りを持つエポワスが、口の中でカスタードクリームのような風味に変化する楽しさを体感します。

冷菜が続いたあとの4品目は焼き物「きんかんとラングル」です。フランス・シャンパーニュ地方のウォッシュチーズ、ラングルを炙ることで香ばしさが増し、きんかんのほのかな苦味とマッチ。バスクチーズケーキのような余韻に、「カカオとスパークリング」というリッチなカクテルを合わせます。ちゐず懐石に多用されているフルーツには、見た目の華やかさだけでなくビタミンを補填する目的もあるのだそう。

デザートには「ブルーチーズのアイス」と「アマゾニアンリバースマティーニ」を。お茶のニュアンスを加えたジンと極甘口の貴腐ワインを使ったマティーニが口のなかに広がり、ブルーチーズとの一体感を味わうことができます。

バーテンダーに学ぶ、世界に一杯だけのカクテルづくり

体験の締めくくりは、バーテンダーに学ぶカクテルづくり体験。エスプレッソコーヒーを用いたカクテル「エスプレッソマティーニ」を、好みのスピリッツやシロップを選んで作ることができます。メジャーカップやシェーカー、バースプーンといった道具の使い方を一流バーテンダーに指導してもらいながら、自分だけのオリジナルカクテルづくりを楽しみましょう。

ジンやウォッカ、ラム、テキーラなど、スピリッツは常時7～8種。ハチミツやメイプルシロップ、練乳など、甘味との組み合わせ次第でまったく異なる味わいを楽しめます。エスプレッソマティーニは比較的どんな組み合わせでも相性が良い万能カクテルなので、初心者でも失敗が少ないのだそう。この日はジンにレモングラスのシロップを加えたさわやかなエスプレッソマティーニをいただきました。

先入観を捨て、新たな価値観を発見

「チーズ」とひとくちにに言っても風味や熟成度合いは様々で、適当に選ぶとお酒と相性が合わないことも。「ちゐず懐石」はプロがチーズの品質や状態を緻密に計算してメニューを構成しているので、最後まで飽きのこないおいしさを楽しむことができます。

チーズにはワイン、お酒にはグラス、カクテルは食後に……。知らず知らずのうちに刷り込まれている“常識”は意外と多いもの。Bar LIBRE GINZAでの体験を通じてそんな思い込みを捨て、チーズとカクテルの奥深さや新たな可能性にふれてみてはいかがでしょうか。