池袋「Bar LIBRE」チーズ×カクテルの新感覚ペアリング −作家の器をおみやげに−

池袋のオーセンティックバーで日本流「アペロ」を体験

池袋・東京芸術劇場近くにある「Bar LIBRE（バー リブレ）」。旬のフルーツや和の魅力漂う上質な器を使い、料理とカクテルの可能性を追求し続けています。

Bar LIBREが提案するのは、7種類のチーズ料理とカクテルを楽しめる「ちゐず懐石」（メニューは季節により変更）。チーズに合わせるお酒といえばワインが定番で、カクテルとのペアリングは世界でも異例といわれています。ちゐず懐石を考案したねらいは、チーズとカクテルが織りなす新たな魅力を発信することと、ヨーロッパの食文化である「アペロ」を日本でも気軽に楽しんでもらうこと。アペロとは食前酒のことで、懐石にも“食事前の腹ごしらえ”の意味合いがあります。

ちゐず懐石の考案者であるバーテンダー・佐藤創氏は、C.P.A.チーズ検定の資格を持ち、他のバーテンダーも一目置くほどのチーズ好き。ちゐず懐石には佐藤氏がこだわり抜いたチーズをすべての料理に使用し、最も味わいが引き立つよう計算されたカクテルと合わせて提供します。会話を交えながら料理をダイナミックに仕上げる様子を目の前で見られるのは、カウンターバーの醍醐味といえるでしょう。

チーズとカクテルの可能性を引き出す「ちゐず懐石」

ちゐず懐石の先付けには、食事前にお腹をあたためて胃腸への刺激を軽減する「チーズのお出汁」を。イタリアを代表する高級チーズ、パルミジャーノレッジャーノを低温約38℃で2時間煮出し、塩と黒胡椒のみで味付けしたシンプルな一品です。

ここからはいよいよ料理の登場です。目の前で削られるチーズの量に驚く「生ハムとメロン パルミジャーノレッジャーノ」は、トロピカルな味わいのチーズに合わせてカクテルもフルーティーに。米焼酎を使った「米フィズ」には、チーズと同じ発酵食品であるヨーグルトと「歓迎」という意味をもつパイナップルの花から着想を得て、パイナップルも加えています。キレのある味わいで、チーズの余韻を口の中で感じられることでしょう。

口の中でピザが完成する、驚きの新感覚料理

2品目は「マルゲリータ」。ピザが出てくるかと思いきや、Bar LIBREのちゐず懐石は一味違います。瞬間燻製したコンテというチーズでピザ生地のサクサク感を再現し、トマト風味のカクテル「嘘の白ワイン」を合わせることでピッツァ・マルゲリータの味が完成。この新感覚はぜひ舌の上でお楽しみください。

パルミジャーノレッジャーノやコンテは誰でも食べやすいチーズですが、後半は徐々に個性の強いチーズが登場します。「エポワスといちごのカプレーゼ」には、フランスのブルゴーニュ地方発祥のチーズ・エポワスの渋みに負けないように「カシスほうじ茶」をペアリング。芳醇な香りを持つエポワスが、口の中でカスタードクリームのような風味に変化する楽しさを体感します。

冷菜が続いたあとの4品目は焼き物「きんかんとラングル」です。フランス・シャンパーニュ地方のウォッシュチーズ、ラングルを炙ることで香ばしさが増し、きんかんのほのかな苦味とマッチ。バスクチーズケーキのような余韻に、「カカオとスパークリング」というリッチなカクテルを合わせます。

Otonami限定メニューの贅沢なチーズバゲット

そして、いよいよOtonami限定スペシャルメニューの登場です。メインディッシュの「クワトロフォルマッジョ」は、春はスプリングミルク、冬はモン・ドールといった旬のクリーミーなチーズをメインに、セミハードのコンテチーズ、ミモレットを使用。ドライフルーツを練り込んだバゲットの上に、3種類のチーズをなんとも贅沢にのせています。

合わせるカクテルは、日本酒を使わずにその味を再現した「フェイクサケ」。カクテルに入れたハチミツの甘みがチーズの塩味や旨みと絡み合い、口の中に長時間幸せな余韻が残ります

最後のデザートは、「ブルーチーズのアイス」と2品のデザートカクテル。アイスは液体窒素を使って目の前で仕上げるので、目でも舌でも楽しめる一品です。カクテル「季のTEAと貴腐ワインのリバースマティーニ」は懐石の最後にふさわしく、お茶の味がする京都産のジン・季のTEAを使用。

さらにもう一杯、Otonami限定で「ルビーポートとヘネシーX.Oのポートフィリップ」も付きます。ヘネシーX.Oは、Bar LIBREの代表・清崎雄二郎氏がバーテンダーとして世界一に輝いた大会にちなんだブランデー。お店にとって特別な一杯をお楽しみください。

作家ものの器をおみやげに

Otonami限定のポイントは料理とお酒だけではありません。おみやげとして、「フェイクサケ」を飲む際に使用したお猪口を持ち帰ることができます。こちらは陶芸家・上野剛児氏の作品で、香川県ののどかな山間で穴窯と呼ばれる原始的な薪窯を使って作陶されています。伝統的な技法とシャープで現代的なデザインが融合し、日常に溶け込む使いやすさが上野氏の作品の魅力。いつもの飲みものも数段味わい深く感じられそうです。

Bar LIBREでは、海外のゲストを意識し、日本の魅力が伝わる格式高い器選びにもこだわっています。自分たちでギャラリーに足を運び、料理やカクテルに合う器を吟味することが多いそう。見ているだけで気分が高揚する器に触れられるのも、Bar LIBREならではの楽しみのひとつです。

先入観を捨て、新たな価値観を発見

「チーズ」とひとくちにに言っても風味や熟成度合いは様々で、適当に選ぶとお酒と相性が合わないことも。「ちゐず懐石」はプロがチーズの品質や状態を緻密に計算してメニューを構成しているので、最後まで飽きのこないおいしさを楽しむことができます。

チーズにはワイン、お酒にはグラス、カクテルは食後に……。知らず知らずのうちに刷り込まれている“常識”は意外と多いもの。Bar LIBREでの体験を通じてそんな思い込みを捨て、チーズとカクテルの奥深さや新たな可能性に触れてみてはいかがでしょうか。