安藤忠雄氏設計の名建築「ザ・ヒルサイド神戸」を解説付きで巡る −フレンチランチコース付き−

関西屈指の文教地区に佇む安藤忠雄氏設計の建築

六甲の傾斜地を歩いていくと見えてくる「ザ・ヒルサイド神戸」。この建物は、数々の建築賞を受賞し、国内外で活躍する建築家・安藤忠雄氏が設計、建築を手がけたことで有名です。安藤氏が建築界のノーベル賞と名高い「プリツカー賞」を受賞する前、1986年にデザインした初期の貴重な作品とあって、安藤氏自身も思い入れの深い建物なのだそう。

コンセプトは「光と自然との調和」。一見無機質に見えるコンクリート造の建物ですが、大きなガラスを多用することによって窓からの光を取り込み、光と影の美しいコントラストを生み出しています。地元で産出される本御影石を使った外壁も印象深く、周囲の景色に溶け込むように佇んでいます。

2階にあるチャペルの奥に見えるのは、樹齢約130年の欅の木。安藤氏がその枝ぶりに惚れ込んだという木で、建物のシンボルツリーとして訪れたゲストを見守るかのように枝葉を広げます。新緑が芽吹く初夏には青々とした葉が生い茂り、チャペルに差し込む光が幻想的な空間をつくり出します。

解説付きで館内を巡り、安藤建築のこだわりを知る

本体験のオープニングセレモニーは、1階のラウンジにて。ウェルカムドリンクをいただきながら、案内役を務める支配人の解説に耳を傾けます。ここで学ぶのは、安藤氏のこれまでの実績や安藤建築の特徴、そしてザ・ヒルサイド神戸について。本体験限定のオリジナル資料をもとに、建物の見どころを予習します。

通常非公開の設計図や、安藤氏のサインが入ったゆかりの品なども特別に見学できるのが本体験の魅力。ここでしかお目にかかれない貴重な資料の数々に、見学への期待が膨らみます。

自然と光の調和を感じる美麗な空間

建物の解説を聞いた後は、いよいよ館内へ。通常ウエディングの見学会以外は公開されない施設を、Otonami限定で支配人の案内のもとたっぷりと見学できます。

1階はあえて天井を低くし、2階はガラスを多用。こうすることで、1階から2階にかけて徐々に光が増え、世界観が変わっていくような造りが印象的です。安藤氏がここを訪れたときのエピソードを交えながら聞く解説は楽しく、建物の魅力を深く知ることができます。

例えば、チャペルの奥に設計された十字は、縦棒に交差する横棒がやや低めの位置にデザインされています。これは欅の木がよく見えるという意図のほか、窓辺に立ったときの目線に合わせることで周囲の建物を見えづらくし、非日常を感じさせる効果をもたらしています。こういった設計の意図や、安藤氏のこだわりを知れるのも本プランの醍醐味。名建築家の信念に思いを馳せながら、じっくりと見学をお楽しみください。

五感が喜ぶ匠のフレンチ

館内を巡ったあとは、レストランで本格的なフレンチのランチコースをいただきます。料理を監修するのは、『ミシュランガイド』と並ぶレストランガイド『ザガット・サーベイ』の神戸エリア料理部門で4年連続1位を獲得した⽯井之悠（しゅう）シェフ。関西フレンチの巨匠と名高いシェフが生み出す至高の料理を名建築で堪能する贅沢なひとときです。

シェフが料理において大切にしているのは、非日常の演出と季節感。レストランでしか食べられないような繊細な料理を提供することはもちろん、旬の食材の味わいを最大限に引き出す調理方法で、見た目にも美しい華やかな料理を心がけています。

特別なひとときを過ごせるようにと、スタッフのおもてなしも細部にまで気配りが行き届いています。窓際の座席から、ガラス越しにチャペルを望みながらいただく食事は格別。館内に散りばめられた仕掛けや解説を思い返しつつ、至極のフレンチをゆっくりとお楽しみください。

名建築家の感性に触れるひとときを

安藤忠雄氏が手がけたザ・ヒルサイド神戸を、特別な解説付きで巡る本体験。安藤氏が世界的な賞を受賞する前の作品は取り壊されているものも多く、ほとんど当時のままの状態で残されている施設は貴重なのだとか。解説によって細部に宿る思いやこだわりを知ると、安藤氏の巨匠たる所以がわかります。

光と自然が調和した名建築の見学を存分に楽しみ、フレンチの匠が監修するランチコースに舌鼓。非日常を感じられる空間で味わう美食の数々に、心も体も喜ぶ時間を過ごせるでしょう。少し足を伸ばせば、周辺には「六甲の集合住宅」や「兵庫県立美術館」など安藤氏が手がけた建築が他にも。ザ・ヒルサイド神戸で得た知識を携えて、足を運んでみるのもよさそうです。