島津まどか氏に教わるテーブルコーディネート＆おもてなしレッスン −横浜・山手のサロンにて−

目も耳も楽しいプライベートサロンで過ごす穏やかなひととき

横浜の街を一望する横浜・山手。歴史ある洋館が点在する閑静な住宅地に、島津まどか氏が主宰するプライベートサロン「M Lily」はあります。フラワー＆テーブルコーディネーターとして豊かな世界観を作り上げている島津氏。これまで、横浜山手西洋館の四季折々の装飾や、国賓歓迎レセプションにおける貴賓室の装花なども手がけてきました。

ご主人の島津秀雄氏は、国賓をもてなす会で指揮者も務める作曲家・編曲家。サロンには、秀雄氏のセレクションによる音楽が流れます。まどか氏が美しくしつらえた空間を心地良く満たし、視覚だけでなく聴覚でも楽しめます。

幼少期から身近に花があり、自然とフラワーアレンジメントの世界へ入っていったという島津氏。フラワーアレンジメントをどのように飾ればより美しく見えるのか……。探求するうちにトータルコーディネートの感性が培われていったといいます。「難しいことや、作り込みすぎることはしません。そうすると私もお客様も構えすぎず、お互いに自然体で過ごせます。大事なのは“誰のために食事会を開くのか”ということです」と話します。

テーブルコーディネートはゲストへの心遣い

本体験では、フラワーアレンジメントとテーブルコーディネートを学びます。実際に手を動かす前に、まずは座学で基本を押さえましょう。「誰をお招きすることが多いですか？」という質問を糸口に座学がスタート。例えば、友人とのティータイムや家族のお祝いごと。誰のために、いつどこで食事会を開催するのか、順を追って考えていくと、おのずと整合性の取れたコーディネートが出来上がるのだといいます。

大切な人を自宅でもてなすために、高級なアイテムを揃える必要はありません。一輪挿しで花を置いてみたり、庭の枝を切って飾ってみたり。手軽にできるコーディネートでも、華やかで洗練された空間をつくることができます。

全体の要素が見えてきたら、次に細部を組み立てます。もてなしたい相手の顔を思い浮かべながら、テーブルを構成する食器やグラス、カトラリーなどのアイテムを考えていきましょう。

テーブルコーディネートの主役となるフラワーアレンジメント

テーブルコーディネートの基本を学んだら、空間演出に欠かせないフラワーアレンジメントを作ります。島津氏の手ほどきを受けながら、季節の花材をオアシスにバランスよく挿していきます。角度によって花の表情が違うので、フラワーベースを回していろいろな角度から見てみましょう。360度から見られることを考えて形を整えたら完成です。

植物のみずみずしさに触れ、気持ちはいっそう和やかに。自分の手で作ったフラワーアレンジメントには愛着もひとしおです。体験で作ったフラワーアレンジメントは、ラッピングして持ち帰り可能。専用のフラワーベースを用意しなくても、似たような形の器があればすぐに自宅で飾ることができます。ぜひ体験で教わったことをおさらいしてみてください。

目に見えない部分への心遣いに品格が宿る

続いて、テーブルセッティングのレクチャーへ進みます。はじめに、テーブルクロスの下にネル地のアンダークロスを敷きます。アンダークロスを敷くことによって、グラスを倒してしまってもテーブルの下に水がこぼれるのを防いでくれます。また、食器を置くときの音が静かになったり、テーブルのフォルムがやわらかくなったりする効果も。何気ない部分への心遣いによって品格が生まれます。

アイテムを置く位置がバラバラだとテーブルの上が雑然とした印象になってしまうため、食器やカトラリーなどを並べる前にメジャーを使って測ります。基準点が決まったら、真向かい合わせの席に対してブリッジランナーのようにリボンを敷き、ホストとゲスト、またゲスト同士をつなぐ架け橋を作りましょう。

次に、ゲストが座る位置を示す位置皿、カトラリー、グラスの順番にテーブルに配置していきます。「コーディネートは、食器の持つ個性も楽しむといいですよ」と島津氏。レッスンでは、参加者の好みやライフスタイルをヒアリングし、普段から実践しやすいように解説していただけます。最後にナプキンを置いてコーディネートの完成。ナプキンの色や折り方を工夫すると、いっそう華やかさが加わります。

五感でおもてなしを体感する

レッスンの締めくくりには、ティーコーディネーターでもある島津氏がセレクトした紅茶とスイーツをいただきます。美しくコーディネートした空間で、しばし至福のティータイムです。可愛らしい食器に色鮮やかなグリーンや花々、優しい弦楽器と木管の音色に包まれ、おいしい紅茶とスイーツをいただく……。まさに五感で堪能するおもてなしです。

そしてなんといっても、島津氏のあたたかな人柄と、プライベートサロンならではのリラックスした雰囲気が魅力。相手を想う真心こそがおもてなしの秘訣だと気づかされます。大切な人をお迎えするときに、本体験で学んだことを取り入れてみてはいかがでしょうか。