六本木「鮨 波残」一つ星店出身の大将が握る野菜寿司コース −旬の野菜を寿司で味わう−

都心の一等地でカウンター寿司に舌鼓

高級店がひしめく西麻布・六本木エリアに、2022年10月にオープンした「鮨 波残」。スタイリッシュな外観のビル内に、焼き鳥やもんじゃ焼きなどの系列店と共に店を構え、店同士は通路でつながっています。都心の一等地にありながら、どこか横丁のような親しみやすい雰囲気なのは、「伝統的な江戸前寿司のスタイルのように、ふらりと気軽に訪れてほしいから」と、大将の平井謙一郎氏は語ります。

江戸前寿司は東京の郷土料理で、赤酢を使ったシャリに、丁寧に仕込んだ新鮮な魚介を乗せるのが特徴。平井氏は『ミシュランガイド東京』で一つ星を獲得した中目黒の名店「宇田津 鮨」で修行を積み、江戸前寿司の精神を受け継ぐ職人です。

鮨 波残で提供するのは、Otonamiオリジナルの野菜寿司コース。宇田津 鮨でおすすめのメニューのひとつが季節の野菜を巻き寿司にした「ベジロール」であったことから、本プランの野菜寿司コースが生まれました。

味・見た目・健康、三拍子揃った野菜寿司

野菜寿司とは、通常のネタである魚介類ではなく野菜で作る寿司のこと。野菜の色が映え、美しく鮮やかな見た目を楽しめます。もちろん鮨 波残では味への妥協も一切許しません。素材を厳選し、大将の故郷である熊本県産の旬野菜、宮城・新潟・佐賀県産の3種類をブレンドした米を使用します。さらに、ウニやキャビア、トリュフなどの高級食材もアクセントに。野菜がメインだからといって物足りなさはなく、最後まで飽きのこないおいしさを堪能できます。

野菜寿司は、魚の寿司と比べて低カロリー。健康のために食事に気をつかっている方には嬉しいポイントです。味・見た目・健康と三拍子揃い、心も体も満たされるはず。コースのうち3貫までなら無料でネタを鮮魚に変更できるので、野菜と魚の両方を味わいたい場合は大将にご相談を。

趣向を凝らした、ここでしか味わえない握り

コースの内容は季節により変わりますが、一例をご紹介します。最初に提供されるのは、「ガリ生姜と金時人参と牛蒡の奉書巻」「焼き茄子と大根の含煮」「胡麻豆腐の茶碗蒸し」などさっぱりしたつまみ5品です。

握りは、香りの良い「焼き椎茸握り」から始まり、徐々に塩味の強いものが登場します。なかでも一風変わっているのは、トリュフ塩をまぶした「トマト握り」。切り込みを入れたトマトは一見するとマグロの握りのようです。

アスパラを使った握りには、それぞれ異なるウニを贅沢に加えています。甘味のあるホワイトアスパラには香りの強いムラサキウニ、フレッシュなグリーンアスパラには甘味の強いバフンウニ。好相性の組み合わせが口の中で溶け合います。

旬のネタ2種を選べる野菜手巻き

コースの締めにいただくのは「季節の野菜手巻き」。鮮魚が並べられたネタ箱から好みの魚を2種選び、大将にリクエストしましょう。選んだネタは、それぞれに大将おすすめのおいしい食べ方で提供されます。

この日はイカとノドグロをオーダー。炙ったノドグロは皮目の香ばしさと脂の上品な旨みが絶妙。トッピングに添えられたタケノコと揚げたレンコンの食感もアクセントになり、旨みを引き立ててくれます。寿司を贅沢に堪能した後は、季節の果物をいただきます。

寿司のおいしさを引き立てるペアリング

寿司のおいしさに自信を持つ鮨 波残がおすすめしているのは、その味わいをさらに引き立てる飲み物とのペアリング。野菜寿司のコースに、茶藝師がセレクトするお茶またはソムリエがセレクトするお酒とのペアリングをプラスすることができます（オプションプランは有料）。

鮨 波残には中国の国家資格である茶藝師が在籍し、中国茶や日本茶、烏龍茶など80～100種類の中から好みに応じて最適なお茶を提案。そのお茶と最も相性の良い一品に合わせ、そのタイミングを見計らって提供してくれます。お酒を楽しみたい方は、ワインや日本酒、焼酎から選択可能。野菜寿司との魅惑のペアリングを心ゆくまで味わいましょう。

野菜の新しい味わい方を発見

カウンターで職人が握ってくれる寿司店は、不慣れだと緊張してしまうかもしれません。しかし大将の平井氏は「特別な作法は必要ありません。肩ひじ張らずに、おいしいものを味わってください」と優しく出迎えます。野菜の新たな魅力を発見できる、鮨 波残の野菜寿司コース。“食の芸術”を愉しみながら、思い思いの時間をお過ごしください。