江戸東京モダンな「豊島屋酒店」で日本酒とお料理のペアリングを体験 −おみやげ付き−

現代の神田に蘇る、江戸の風情

東京で最も歴史のある街のひとつである神田。そんな神田の真ん中に、錦織をデザインモチーフとし、緑いっぱいの広場も設けた複合型オフィスビル「神田スクエア」が2020年にオープンしました。そこで藍染の粋な暖簾を掲げるのが、神田鎌倉河岸で1596（慶長元）年に創業した造り酒屋「豊島屋本店」が手がける、立ち飲み居酒屋「豊島屋酒店」です。

日本酒と江戸文化との邂逅

「豊島屋酒店」の店内は、いわゆる日本酒をいただく立ち飲み居酒屋のイメージとは一線を画した、白を基調とした明るい空間。出迎えてくれる正面の壁には、神田明神・明治神宮の唯一の御神酒〈金婚〉、創業者である豊島屋十右衛門の名を冠した〈十右衛門〉、海外で賞を獲得した〈江戸酒王子〉など、銘酒の美しいディスプレイ。もう一面には1836（天保7）年に刊行された『江戸名所図会』が飾られ、そこに描かれた豊島屋の様子からは、江戸当時の活気を感じられます。これから始まる楽しくおいしい時間への期待を、さらに盛り上げてくれることでしょう。

日本酒の立ち香を楽しむ

本体験では、豊島屋が東京・東村山の酒蔵で丹精込めて醸造した数々の日本酒の中から、お好きな3種をお選びいただきます。日本酒の知識がなくてもまったく心配ありません。好みを伝えればおすすめを教えていただけます。お酒が強くない方には、半量の猪口での提供も可能。選んだお酒の誕生秘話や特徴など丁寧な説明を受けながら、目の前で日本酒がゆっくりと注がれます。かすかな清い音を立てて猪口に満ちてゆく日本酒。次第に、やさしい香りがゆっくりと立ち上ります。

豊島屋の日本酒の特徴は、味わい深さとキレ。その秘密のひとつは仕込み水にあり、富士山から流れる伏流水を深さ150メートルにも及ぶ井戸から汲み上げて使っています。そんなこだわりを持つ豊島屋ですが、「日本酒は自由な感覚で楽しんでもらえれば、それで良いんです」と、16代当主の吉村俊之氏は笑顔で話します。

日本伝統のお酒の歴史を知れば、食文化が知りたくなる。食文化を知れば、当時の人々の暮らしや文化が知りたくなる。たったひと口のおいしい日本酒から始まる会話は、想像以上に知見と興味を広げてくれることでしょう。

「江戸東京モダン」をテーマにしたお料理とのペアリング

ペアリングに選ぶお料理は、豊島屋酒店の店長兼料理人が腕をふるうオリジナルメニューから3品をご用意。例えば〈豆腐田楽〉は、江戸時代の豊島屋でも看板メニューだったといわれる一品。大江戸甘みそと豆腐は江戸前で、砂糖が簡単に手に入らなかった当時のレシピでは塩味が強いということで、自社製のみりんで甘みを加えて現代風にアレンジ。プレーンの田楽と季節の田楽、江戸甘みそを添えたクリームチーズを一皿で味わうことができ、江戸の人々に大人気だった味を体験します。

ほかにも“東京モダンメニュー”として、季節のドライフルーツをふんだんに入れた酒粕入りバター〈豊島屋バター〉や、甘納豆・マスカルポーネチーズ・クラッカーの味の調和を楽しめる〈甘納豆のマスカルポーネ〉など、新感覚メニューのおいしさに感動したところで、日本酒をひと口。ペアリングの効果で、日本酒の味と含み香がさらに高まって感じます。日本酒がゆっくり喉を流れ落ちたら、また自然とお料理に箸が伸びることでしょう。

※メニューは一例です。状況によって内容が異なります

四季折々、その時に最もおいしい食材を厳選し調理した日替わりメニューもご用意しています。その日限りのメニューと、日本酒のペアリング。そんな一期一会を楽しめるのが、この体験の楽しさです。また、Otonami限定特典として「豊島屋酒店」オリジナルの猪口または升が付きます。

日本酒という新しい愉しみの選択肢

豊島屋の行動指針は“不易流行”。時代の変化に合わせて、守るべきものと変わるべきもののバランスを取ることが重要だとする、蕉風俳諧の理念のひとつです。数十年前まではお酒といえば“日本酒”を指したものですが、現代はお酒も多様化の時代を迎えています。そんな今だからこそ、豊島屋酒店での江戸からの伝承と現代の融合の体験は、今まで日本酒になじみがなかった方も、新たな愉しみを見出せるかもしれません。

「世代によっては日本酒を敬遠されがちかもしれませんが、海外はもとより、若い方の間には日本酒に興味を持ってくださる方も多くいらっしゃいます。本体験を、その最初の一歩にしていただければ嬉しいです」と吉村氏。「豊島屋酒店」での粋でモダンな日本酒ペアリング体験で、現代の東京に吹いている“江戸の風”を感じてみてはいかがでしょうか。