Otonami Story

2023.1.27

五感を使う“体験”を届けたい。スパイスで心身ともに豊かな日々を。

Interviewee

épices GINZA(エピス ギンザ) 主宰 朝岡久美子さん

東京・銀座にある紹介制の隠れ家レストラン「épices GINZA(エピス ギンザ)」。主宰するのは、世界中のスパイス・ハーブを研究し続けてきたスペシャリスト・朝岡久美子さんです。

スパイスには私たちの心身を健やかに保つ力が秘められているとされ、朝岡さんはその魅力や活用方法の発信に力を注いでいます。「お酒や米に代表されるように、日本は“水の食文化”の国。“油の食文化”であるブレンドスパイスにはなじみの薄い方が多いかもしれませんが、普段の生活にほんの少し取り入れるだけで、豊かさを感じられるものです」と話します。

スパイス会社の経営者として、スパイスの販売や企業の商品開発を手がけてきた朝岡さん。アカデミー事業を立ち上げた理由や、Otonamiの体験プランに込めた想いを聞きました。

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スパイスを通して、世界を見てきた幼少期

スパイスの会社を営むご両親のもとで育ち、スパイスに囲まれた幼少期を過ごした朝岡さん。「日々の料理にスパイスを使うのはもちろん、風邪を引きそうなときはレモングラスをはじめとしたハーブをブレンドしたり、湿布としてターメリックを使ったり。スパイスは、生活の中にあって当たり前の存在でした。小学生になって、はじめて既製品のカレールーを口にしたほどです」と、当時を振り返ります。

朝岡さんが幼少期を過ごした家には、常時200種類以上のスパイスがあったそう

スパイスを通して幼少期からグローバルな感覚を身につけてきたことも、今の朝岡さんを語るうえで欠かせない要素。ご両親の仕事の関係で、海外の方々と家族ぐるみでお付き合いをすることも多く、様々な国の料理を口にする機会に恵まれたのだといいます。

仕事に対する姿勢に影響を与えた、両親の存在

チャレンジ精神旺盛で、幼い頃から自分なりに様々なスパイスをブレンドして楽しんでいたという朝岡さん。「ソーセージを作る時に、塩ではなくナンプラーを使ってみたのですが、それが本当においしくて。両親にも『発想がいい』と褒めてもらえました。誰かに喜んでもらうことって、こんなに幸せなんだと思いました」と話します。

スパイスブレンドには正解がないからこそ、自分の感覚を信じることも大切

大人になり、会社勤めを経て30代で会社を受け継ぐことになった朝岡さん。ご両親が貫いてきた「商品を丁寧に、誠実に作ることこそが営業である」というポリシーを守りながら、品質重視の経営をしてきました。お客様をはじめ、出会えた人とのご縁を紡いでいくことの大切さも、ご両親の姿を見て学んだのだそうです。

多くの人に直接スパイスの魅力を伝えたい

朝岡さんには、経営者として歩む傍ら、ずっとあたためてきた想いがありました。それは「もっと多くの方々に直接スパイスの魅力を伝えたい」ということ。「スパイスには触れるたびに新たな発見があるもの。スパイスのもつ作用は体だけでなく、心にも働きかけるといわれています。嗅ぐとなぜかリラックスできる香りがある方もいるのではないでしょうか」。いつか五感でスパイスを体験してもらえる場を作り、自分自身の声でその魅力をダイレクトに届けたいと考えるようになりました。

スパイス講座では、世界各国のスパイスを、その背景や文化も含めて伝えている

時間の関係で想いをかたちにできない日々が続きましたが、様々なタイミングが重なり、行動を起こせる環境に。朝岡さんは2012年にアカデミー事業の立ち上げを決意し、2016年には「épices GINZA」をオープン。自らが調理した世界のスパイス料理やお菓子を提供するほか、一般の方向けにスパイス講座も開催しはじめました。

厨房とテーブルの距離が近く、アットホームな雰囲気のépices GINZA

一人ひとりに丁寧に向き合いたいという想いから、レストランは現在1日1組限定、スパイス講座も少人数制に。どちらもリピート率が高く、新規の予約を取ることが困難なほどの人気ぶりとなっています。

五感を使って体験することの大切さ

朝岡さんがOtonamiから届けるプランは、毎月1カ国ずつ、1年を通して計12カ国のスパイスを参加者自らがブレンドする体験です。長年、各国大使館をはじめ世界中の方々から料理を教わってきたほか、現地に足を運ぶことも多い朝岡さんが、各国の料理や食文化を余すことなくレクチャー。スパイスブレンドの体験後は、朝岡さんが目の前で調理した、季節のスパイスや調味料を使った世界の料理をいただき、香りと味わいを楽しみ尽くします。

朝岡さんが手がけた世界の料理。写真は「日本」の回で登場した「きりたんぽ鍋」

自分の体調や気分に合わせてスパイスをセレクトすれば、既製品にはないオリジナルブレンドが完成。さらに、女性ホルモンや脳の活性化に影響を与えるとされるスパイスの香りを、フレッシュな状態で堪能できることも、épices GINZAでの体験ならではの魅力でしょう。「皆さんがスパイスの奥深い世界を知る、小さなきっかけを作れたら」。幼い頃から親しんだスパイスブレンドの面白さを、今日も目の前にいる一人ひとりに丁寧に伝えます。

épices GINZA(エピス ギンザ)

世界のスパイス・ハーブを研究し続けてきた朝岡久美子氏がオーナーシェフを務める、紹介制の隠れ家レストラン。世界を旅してきた朝岡氏自らが調理・提供する。近年はアカデミー事業を展開し、プロコースや基礎コースなどスパイスの魅力を広めるための活動にも力を入れている。2022年より、スパイス・ハーブの香りによる五感を使った健康効果と療法を医師と共に研究する活動を行っている。

MAP

東京都中央区銀座8-18-6 二葉ビル1・2F

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