夜の帳が下りた仙石原で始まるここだけの体験2023年春、箱根・仙石原に誕生した箱根 エモア・テラス。フランスのガラス工芸家・宝飾デザイナーであるルネ・ラリック(1860-1945)の作品を展示する箱根ラリック美術館に、レストラン・カフェ・パティスリーが新設され、複合施設として生まれ変わりました。
静かな夜に特別な体験への扉が開く 箱根 エモア・テラス内にある、豪華サロンカー「オリエント急行」。ラリックが空間装飾を手がけた1929年製の車両は、パリとフランス南部を結ぶ「コート・ダジュール特急」として2001年まで実際に使用されたもの。2004年に箱根のこの場所に移設されました。
列車の窓から暖かな光がもれる幻想的風景 人気のティーサロン・オリエント急行は現在、Otonamiにて昼に開催中のプランを除き、当日先着受付順。営業時間内(9~17時)のみの利用となっていますが、本体験では普段入ることのできない夜のオリエント急行を貸し切り、ラリックの装飾がきらめく列車内で箱根の旬の食材をふんだんに使ったお食事とアートスイーツで構成された特別なディナーコースを堪能します。
夕暮れに光を灯すオリエント急行に乗車 国内外から多くの人が連日訪れる箱根・仙石原。天高く箱根の山々を照らした太陽が夕日に変わり、喧騒が消えゆく頃に本体験は始まります。箱根 エモア・テラスの荘厳な門を通り抜けた先に見えてくるのは、乗客の気分を味わえるようにと、プラットフォームをイメージしてデザインされた展示スペースとオリエント急行。その心ときめく光景を眺めながら、まずはオリエント急行のカラーをイメージしたウェルカムカクテルを作ります。
自分で作る特別なウェルカムカクテル(ノンアルコール) 自分の好みに合わせた分量で色を重ねた特別感たっぷりのドリンクで喉をうるおし、いよいよ車内へ。担当者が見どころを解説しながらゲストを席までご案内します。歴史的価値も高く見どころの多いオリエント急行。大きなガラスの向こうでは、仙石原の豊かな自然と樹々が夕闇に沈みゆきます。
150枚以上のガラスパネルが装飾された車内。昼間とはまったく異なる表情を見せる 着席後はオリエント急行スタッフの挨拶、そしてオリエント急行とルネ・ラリックについての特別解説に耳を傾けましょう。目に映るのは、うっとりするほど優美なラリックの空間装飾と贅を尽くした車内の設え。特別な夜の始まりに胸躍らせるひとときです。
丁寧な解説と資料でより深く知ることができる 豪華な装飾に囲まれつつも不思議な落ち着きを感じるのは、ラリックが日本に深く関係しているからかもしれません。フランス語で「新しい芸術」を意味する「アール・ヌーヴォー」が誕生したのは19世紀末で、その誕生に寄与したのは、意外にも遠く離れた日本の美術。浮世絵などの美術が「ジャポニズム」として流行し、ラリックも、そのジャポニズムの影響を強く受けて芸術性の高い作品を数多く生み出したといわれています。装飾を眺めながらそこに含まれる日本らしさを探してみるのも一興です。
世界中の旅人を魅了した豪華サロンカーでのディナータイム 闇が深まる頃、お待ちかねのディナータイムがはじまります。Otonamiのためだけに特別に考案されたのは、前菜2品・お魚・お肉、そしてアートスイーツと食後のドリンクのコース。その日仕入れた新鮮な西湘野菜など、箱根と箱根近郊の素材をふんだんに使ったシェフこだわりの料理の数々が登場します。メニュー内容は季節や日によって替わるので、どんなひと皿と出会えるかは当日までお楽しみです。また、お食事と一緒にアルコール類の注文も可能です(別途料金がかかります)。
ラリックの人生に思いを馳せながらいただく至福のひととき 前菜の一皿はラリックの出身地であるフランス・シャンパーニュ地方をテーマにした料理。もう一皿はラリックの人生と才能が大きく開花した街・パリをテーマにした料理。豊かな自然に囲まれた田舎町で生まれたひとりの少年がパリへ移り、ジュエリー装飾とガラス工芸の巨匠と呼ばれるまで、ラリックにまつわる物語をシェフが腕によりをかけた味わいと共に綴ります。
取材時は、2皿目の前菜がカクテルグラスで登場。パリの地図が描かれたテーブルマットは旅の気分を盛り上げてくれる 前菜を楽しんだら、いよいよメインディッシュです。1皿目には、箱根からほど近い相模湾や駿河湾で水揚げされた新鮮な魚を使った一品。素材を引き立てるソースと共に海の恵みを味わいます。
新鮮な魚と味わい深いソースとのマリアージュ(メニューは季節や仕入れによって異なります) メインディッシュの最後は肉料理で、季節とその日の仕入れに応じて厳選した素材を使った贅沢な一品。山の恵みが凝縮された箱根ならではの料理を堪能します。
取材時は、ロッシーニ風の肉料理。肉の旨みと野菜の甘みが口の中に広がる テーブルに舞い降りるきらめくアートスイーツ 締めくくりは、夜のオリエント急行にふさわしい極上のティータイム。テーブルに舞い降りるのはパティシエこだわりのオペラケーキ。パリの「オペラ座」を模して作られたことが名前の由来で、オペラ座の屋根の上に立つアポロン像が持った金色の琴に見立て、オペラケーキの表面に金箔があしらわれています。
美しく華やかな金箔に心奪われる オペラ座が完成した翌年、パリに移り住むと同時に弱冠15歳で宝飾職人の道を歩みはじめたラリック。オペラケーキは、見習いの時代から晩年までオペラ座の近くを制作拠点としたラリックの人生を象徴するものだといえるでしょう。
ラリックの作品からインスパイアされたデコレーションが目を楽しませる お皿のデコレーションは、ラリックの作品にちなんだモチーフが季節ごとにお目見えします。どんな素敵なデコレーションに出会えるのかもこのプランの大きな楽しみ。そのまばゆい一皿はきっと写真に収めたくなるでしょう。
箱根の夜空を走るオリエント急行で過ごす特別なひととき アートスイーツと共に味わうのは、オリエント急行のティーサロンで提供されているオリジナル紅茶や、フレーバーティー、ハーブティー、コーヒーと、Otonamiのためにセレクトされたドリンク。そして箱根の夜を走るオリエント急行の旅も、まもなく終わりの時を迎えます。夢のような時間を振り返りながらゆったり味わいましょう。
ゆったりと余韻に浸るティータイム 夜のオリエント急行で美食とアートを堪能する極上な大人のひととき。非日常の時間は、日々の慌ただしさを忘れさせてくれるでしょう。夜の箱根 エモア・テラスから、きらめく夜の旅に出てみてはいかがでしょうか。
いつまでも記憶に残る特別な夜を過ごして