元禄時代創業の⽼舗糀屋で日本の食文化を体感
大阪・堺にのれんを掲げる「糀屋 雨風」。330年以上前の1689(元禄2)年に醤油醸造業を始め、雨が降っても風が吹いても商いを休まなかったことから“雨風屋さん”と呼ばれるように。現在は糀をメインに、味噌・醤油・醤油加工品・甘酒・どぶろくなどを製造・販売しています。昔ながらの製法と文化を守り、日本の伝統食である糀の素晴らしさや大切さを次世代に残すため、地域の食文化にも貢献。堺ブランド「堺技衆」に選出されています。
歴史と趣を感じさせる店構え和食の基本となる味噌や醤油などの調味料は、糀なくして成り立ちません。日本特有の食文化を支えてきたのは、まさに糀の力。糀とは、原料となる穀物(米・麦・豆など)を蒸して「糀菌」を付着させ、繁殖しやすい温度・湿度などの条件下で培養したものです。微生物が食材となる原料に付着すると、酵素で分解しながら、でんぷん質を甘み成分である糖分に、たんぱく質を旨み成分であるアミノ酸に変えていきます。すると、栄養成分だけでなく旨み成分もアップするのです。
糀は日本の食文化の要。昔ながらの製法を次世代に受け継ぐ5種類からお好みを選べる味噌づくり
職人から手ほどきを受けて、味噌づくりを体験。味噌は大きく分けて、米・麦・豆の3種類があります。さらに、米味噌のなかでも配合や熟成期間を変えることによって、白味噌・赤味噌・田舎味噌がつくられます。そして、異なる材料を合わせてできるのが合わせ味噌です。
本体験では、白味噌・堺味噌・元禄味噌・麦味噌に加え、Otonamiプラン限定で合わせ味噌を選ぶことができます。お好みの種類をセレクトし、つくった味噌は当日お持ち帰りできます(ご自宅への配送も可能)。
※5種類の味噌の詳細は、ページ最下部の「味噌の種類について」の項目をご参照のうえ、ご予約時にご希望をお知らせください。
味噌づくりの材料はいたってシンプル今回は、米糀をふんだんに含み、一般的には田舎味噌と呼ばれる糀屋 雨風オリジナルの堺味噌づくりに挑戦。3kgの堺味噌づくりに必要な材料は、乾燥大豆750g、米糀1.5kg、塩300g。ふっくらと炊き上げられた大豆と米糀、塩をよく混ぜ合わせ、空気を抜きながら味噌玉を桶に詰めていく作業は、単純ながら力技が必要な場面も。職人がお手本を見せてくれ、混ぜ具合を確認しながら最終的な調整もしてもらえます。
味噌玉を丸める作業に思わず夢中に空気が入らないよう、隙間なく味噌を桶に詰めていきます。そして、表面を平らにして味噌と桶が接する部分の汚れを拭き取り、カビ防止のためフチに塩を振ります。空気にふれないように表面をラップで覆い、フタをしたら完成です。
材料をよく混ぜ合わせ、空気を抜きながら桶に詰めるご自宅に持ち帰ったら、1〜2kgの重石(米袋)を置き、通気性の良い場所に保存しましょう。熟成期間は季節によって異なりますが、3〜6ヶ月とのこと。手づくりの生味噌は、市販の味噌とは異なり、出来上がった後も発酵を続けます。旨み成分が失われずに長持ちし、熟成の過程ごとに味の違いを楽しめます。
昔ながらの製法にこだわる糀の製造工程を見学
糀屋 雨風では、創業以来の伝統を受け継ぎ、昔とほとんど変わらない製法で糀を手づくりしています。米糀は、地元・関西の厳選米や特別栽培米、低農薬米などを使用。麦糀は国産丸麦、玄米糀も国産玄米100%にこだわっています。
絶妙な温度と湿度が保たれた麹室で保管される糀製造工場では、味噌や醤油の原料となる糀ができるまでの工程を見学でき、発酵食品についての知識を深めることができます。木桶で米を蒸す作業や、温度・湿度を微妙に調節できる機能を持つ麹室の内部を見せてもらうことも可能。また、昔ながらの杉室で製造される糀を前に、職人から製造工程について話を伺い、質問にも丁寧に答えていただけます。糀屋 雨風では、機械管理ではなくじっくりと手間暇をかけて糀を製造。約3日間、温度や湿度をきめ細かく管理します。
職人の丁寧な手作業により、様々な製品がつくられる工場の2階には、熟成中の味噌や醤油の樽がたくさん保管されています。伝統的な製法を継承しつつ、食品を製造するうえでの衛生管理を徹底。現代に合った製品を提供するために心がけていることや、市販の味噌と手づくり味噌の違いなどについて学びます。職人から話を伺い、昔ながらの製法にこだわって製造される糀や味噌・醤油を目にすることで、現代に受け継がれている日本固有の食文化について知る貴重な体験となるでしょう。
素材と調味料にこだわったランチを堪能
本体験は、隣接する糀カフェ「Biotopos」でのランチタイム付き。月替わりのランチを、Otonamiプラン限定でドリンクまたはデザートと共に味わえます。提供するメニューには一般的な砂糖や醤油を一切使わず、自家製の塩糀や甘酒、醤油糀などを使っています。
こだわりの素材と調味料を活かしたランチメニュー(内容は月ごとに異なります)優しく味付けされたメインのおかずや小鉢のお惣菜は、ひと口頬張るごとに体に沁みわたります。風味豊かな味噌汁は、ほどよい塩味で口あたりが良く、優しく懐かしい香りがします。やわらかくモチモチとした食感が魅力の玄米ご飯も絶品。
じんわりと体に沁み渡る優しい味わいドリンクはコーヒー・紅茶・ジュースから、デザートは糀アイスや甘酒チーズケーキなどユニークなラインナップのなかから選べます。
甘酒チーズケーキは糀カフェならではのメニュー日本に古くから伝わる糀の魅力を知る貴重な体験
手間隙をかけて昔ながらの製法で丁寧につくられる、糀屋 雨風の糀。その糀を使って味噌や醤油など様々な食品や調味料が生まれます。体験後は、工場に併設する直営店でショッピングを楽しみましょう。生味噌や醤油、甘酒、どぶろくなどを販売するほか、糀(米糀・玄米糀・麦糀)の計り売りも。糀を使った製品の豊富な品揃えに圧倒され、つい時間を忘れて見入ってしまいます。手づくりした味噌と購入品をまとめて自宅に郵送してくれるサービスもあります(送料は現地にてお支払い)。
生味噌をはじめ、店内には様々な商品がずらりと並ぶ糀屋 雨風では、日本人にとってなじみ深い発酵食品・糀について、その製造工程を間近に見ることができます。さらに味噌づくり体験を通して知識を深め、市販の味噌とは違う手づくり味噌の良さも感じられるでしょう。添加物や防腐剤が含まれている場合がある市販の味噌と比べ、手づくりの味噌は原材料がはっきりとわかり、不要なものが使われていないため安心して味わえます。
熟成の過程ごとに味の違いを楽しめるのが、手づくりの生味噌の魅力発酵し続ける生味噌は、何年も使い続けることができます。色や風味が変化していくので、自分にとって最良なタイミングで冷蔵・冷凍すれば、長くその味を楽しめます。毎日の食卓にも、糀カフェで味わえるランチのように、素材や調味料にこだわった品々を並べたいもの。糀屋 雨風での体験は、食生活についてあらためて考えるきっかけとなることでしょう。