京都「御菓子 艸堂」出来たての和菓子懐石コースと銘茶のペアリングを堪能 −竹内栖鳳の旧邸宅にて−

不易流行を体現し続ける人気の和菓子店「御菓子 艸堂」

重要文化財が多く集まる京都屈指の観光地・東山に、1,700坪の広大な敷地を持つ「THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO」。もともとは近代日本画の先駆者・竹内栖鳳（たけうち せいほう）の屋敷で、現在はイタリアンレストランや結婚式場として人気を得ています。

「御菓子 艸堂（おかし そうどう）」は、その敷地内にある小さなお菓子専門店。不易流行の精神をベースに、日本独自の伝統を大切にしながらも現代の素材や感性に合うお菓子を創作しています。

御菓子 艸堂にてお菓子の開発から制作、提供までを担うシェフ、小林卓氏が提案するOtonami限定の「御菓子懐石コース」は全7品。お菓子の懐石といえども、スイーツのみならず甘くない料理もあり、味の緩急がバランスよく構成されています。“食後のデザート”というよりもしっかりとしたお食事をいただくイメージで、おなかを空かせてお越しください。

体験の舞台となるのは、普段は結婚式の打ち合わせでしか入ることができない別館のカウンター席。隠れ家のようでありながらどこか懐かしさを感じる和風邸宅の空間で、優雅な時間をお楽しみいただけます。

四季や厳選素材を楽しめるお菓子づくりを目の前で

「御菓子懐石コース」のメニューはすべて小林氏が手がけ、カウンター越しに出来たてのおいしさを提供します。四季ごとに旬の素材をお菓子に落とし込み、室町時代より足利義満に愛された宇治最古の茶園「奥ノ山」にて京都の宇治茶の伝統栽培を守り続ける「堀井七茗園」のお茶を、1品ごとにペアリング。長年パティシエを務めてきた小林氏からは、メニューの開発秘話や食材の説明はもちろん、お菓子に四季の移ろいを反映してきた日本人の感性についてなど、様々なお話を聞くことができます。

1品目に登場するのはひと口サイズのフード。小林氏はレストラン勤務の経験があり、本格的な料理も得意としています。軽いお食事からコースが始まるため、この後に続くお菓子に向けて食欲が湧いてきます。料理に合わせるのは煎茶。70度の低温で丁寧に甘みや旨み成分を抽出した一番茶をいただきます。

和洋の要素を融合させた斬新なメニューの数々

2品目からはいよいよ、小林氏が考案した多彩なお菓子と対面します。例えば秋のメニューでは、マカロンや羊羹の盛り合わせが登場。糖度を低くしてフルーツの味わいを生かした御菓子 艸堂の真骨頂といえる羊羹では、親しみ深い和菓子が洋の装いに。宇治抹茶レアチーズケーキは、宇治の「堀井七茗園」の一番茶のみを使うなど素材も選び抜いたもので、御菓子 艸堂ならではの美しい一皿です。

盛り合わせに合わせるのは二煎目の煎茶。苦みを引き出しさっぱりとした風味に仕上げたお茶が、濃厚な甘みのお菓子によく合います。

小林氏がつくる温かいメニューをいただけるのも、本体験の大きな魅力です。例えばおはぎは、おいしさを決める、もち米を炊く工程から目の前でスタート。土鍋で昆布出汁と炊き、つややかな炊き上がりを見せてもらえます。炊き立てのもち米には、昆布出汁をベースに作った熱々のみたらしソースをかけ、香り豊かな白胡麻をたっぷり散らして一緒に味わいます。もち米に合わせるのは、ほうじ茶です。

コースの最後には、本蕨餅や葛切りなど、特に人気のメニューが登場します。つくりたてのなめらかさや食感、風味が格別で、旬の味わいや彩りを取り揃えた貴重な体験。締めには、優しい味わいの茎茶を合わせます。

アルコールとのペアリングや羊羹のおみやげをオプションで

和菓子と共にお酒を楽しみたい方のために、特別なオプションをご用意（別途料金がかかります）。基本プランのお茶とのペアリングを、アルコール3杯に変更可能です。お酒は、御菓子 艸堂の姉妹店「THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO」のソムリエがセレクトした日本の白ワイン2種類と、お酒好きの小林氏がおすすめする日本酒3種類の全5種類をラインナップ。

例えば、京都発のワイナリーで製造される丹波ワインや、京都で人気の「松井酒造」の日本酒など、京都の歴史と伝統を感じられる銘柄や日本ならではの素材を使ったお酒が揃います。5種類から3杯を選ぶのに迷いそうですが、メニューごとに合うお酒を教えてもらえるので、小林氏に相談しながらセレクトしましょう。

本体験の思い出におみやげを持って帰りたい方は、御菓子 艸堂プロデュースの「YOKAN」を付けることができます（別途料金がかかります）。北海道産小豆や宇治抹茶など選び抜いた素材を使い、素材の味わいが楽しめる羊羹5種類の詰め合わせです。

つくりたてのお菓子を五感で堪能する贅沢な時間

歴史深い日本家屋にて、職人が目の前で手がける出来たてのお菓子を五感で楽しむ特別なひととき。その手さばきを眺め、解説に耳を傾けながらいただくひと口は、季節を愛で、素材を追求した先にあるおいしさを教えてくれます。

京都・東山へおでかけの際にはぜひ、御菓子 艸堂で季節ごとのおいしい思い出を重ねてみてはいかがでしょうか。