
和菓子作家「嶋ゞ」小島直子氏と作るアートのように美しい四季折々の〈箱庭〉 −鎌倉・旧村上邸にて−


体験の概要
明治時代末期の鎌倉に建てられ、現在は鎌倉市景観重要建築物に指定されている伝統的な和風木造住宅「旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−」。風情あふれるこの場所で、美しい日本の四季に思いを馳せる和菓子作りを体験します。教えてくれるのは、葉山を拠点に活動する和菓子作家・嶋ゞ(しまじま)の小島直子氏。小島氏が編み出したオリジナルの和菓子〈箱庭〉を作り、体験の最後には、小島氏が作った和菓子をお茶と共にいただきます。Otonami限定のオプションとして、レシピと金団箸もご用意。
体験の特徴
・鎌倉に残る日本建築「旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−」にて、和の趣と自然を感じながら和菓子作りを体験。
・和菓子作家・小島直子氏による手ほどきのもと、日本の四季を表現するオリジナルの和菓子〈箱庭〉を作ります。
・和菓子のテーマやモチーフは月ごとに変わるため、1年を通して何度も楽しめます。
※こちらのプランもおすすめです。
〈 鎌倉「旧村上邸」で書家・白石雪妃氏と書く禅語 −趣あふれる茶室で自分と向き合う−【全5回】 〉
8,800円〜(名/税込)
1〜4名
約120分
詳しい内容
四季の美しさを表現する和菓子作家・嶋ゞ
葉山を拠点に、和菓子を通して日本のものづくりの素晴らしさを伝える活動を行う「嶋ゞ」。主宰するのは、和菓子作家の小島直子氏です。本体験では、日本の四季をモチーフにした和菓子を制作する小島氏が考案したオリジナル和菓子〈箱庭〉作りを体験。浮島という蒸しケーキのような和菓子に、あんこをそぼろ状にした金団(きんとん)や季節の食材をのせて彩った、華やかな一品です。

和菓子作家として活動する小島氏ですが、実はもともと和菓子は得意ではなかったそう。「“おうち時間”が広まっていた頃、お茶を淹れてリラックスする機会が増えたことから、お茶のお供である甘いものに関心を抱いたんです。あるとき、丁寧に作られたおいしいあんこを食べて見方が変わり、こだわりのある素材や作り方が大切なのだと知りました」と話します。だからこそ、和菓子作りではなるべく季節の素材を使うことを大切にしています。

会場となる「旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−」は、明治時代後期に建てられた日本建築。本格的な能舞台や茶室を備え、〈箱庭〉作りはこの茶室を貸し切って行います。にぎやかな鎌倉駅前や鶴岡八幡宮から少し離れた場所にあり、庭園の豊かな草木、風の音、鳥のさえずりに癒される空間。歴史ある建築の荘厳さのなかに、落ち着いた雰囲気が漂います。
和菓子作りを通して日本の四季と向き合う
日本の豊かな四季をテーマにした〈箱庭〉は、月ごとにモチーフが変わります。例えば、春は餡を桜色にしたり、夏には錦玉羹という寒天を散りばめたり、秋には栗を取り入れたり……。小島氏が日課としている散歩の中で、季節ごとに移り変わる景色や草花からヒントを得ているのだそう。「洋菓子と比べると、和菓子の大きな特徴は四季を映しているところ。自分の暮らしと地続きになったお菓子を作ったり食べたりしながら、皆さんにも季節の移ろいを感じてほしいですね」と話します。

取材時に作った〈箱庭〉は、紫陽花をイメージしたもの。材料は、白餡や山芋からつくる薯蕷餡(じょうよあん)。優しく色づいた紫陽花の花びらを表しています。その土台になっているのは、“浮島”という蒸しケーキのような伝統的な和菓子。小麦粉は基本的に使用していません。

浮島という庭を自らの手で彩っていく
はじめに、浮島に乗せる金団作りから。餡を色ごとに少しずつ取り分けて裏漉しします。ポイントは、濾し器から採れた金団のふわふわとした質感をそのまま活かすこと。金団箸を使って、横からすっと掬うように取ります。

金団は3色ほどを乗せていきます。色とりどりでありながら優しい色合い。手を動かしつつも思わずうっとりと眺めてしまいます。金団を少しずつ取ってふわっと乗せる工程は、はじめは慣れないかもしれませんが、だんだんとコツを掴めてきます。小島氏からのアドバイスを受けながら、ゆっくりと色を重ねていきましょう。

金団を乗せ終えたら、季節の素材で仕上げます。例えば暑い時季は、透明感あふれる水色と白の寒天。ふんわりとした金団の上に少量をちりばめると、涼やかなきらめきが生まれます。最後にエディブルフラワーでアクセントを添えて完成です。

飾りたくなるアート作品のような美しい和菓子
両手におさまる、甘くて小さな〈箱庭〉のできあがり。金団のふんわり感、寒天の透明感、エディブルフラワーの華やかさが、絶妙なバランスで咲き誇っています。その季節の趣を存分に感じられるモダンな和菓子。桐箱に入れるとなお、額に収められたアート作品のようです。

完成後にはゆったりとお茶の時間。小島氏が制作した〈箱庭〉をいただきます。和菓子作りで集中した体に、優しい甘さがじんわりと染みわたります。お茶は、抹茶やコーヒー、ハーブティーなど、季節や〈箱庭〉の味わいに合ったものを小島氏がセレクト。日替わりで用意される茶器も一緒に楽しみましょう。

自分で作った〈箱庭〉は、桐箱に水引のような飾りを添えて持ち帰ります。自宅でゆっくりと味わうのも、大切な誰かにプレゼントするのも素敵。その回のレシピと金団箸が付くオプションも用意されています(別途料金がかかります)。

素材と色合い、そして味わいに季節を感じる時間
四季の豊かさを和菓子で表現したい。その想いから小島氏が独自に考案した〈箱庭〉。本プランでは、月ごとにモチーフが変わるのも楽しみのひとつです。小島氏が日々季節を見つめてヒントを得た和菓子。12ヶ月にわたって少しずつ変化する自然の様を、上品な彩りや味わいを通して楽しめます。

和菓子だけでなく、茶室の外の自然からも季節を感じられます。都会の喧騒を離れ、普段の忙しさを一瞬だけ忘れ、ゆったりと過ごせるのは貴重なひとときかもしれません。体験後は、旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−の庭園や鎌倉の街並みをもう一度見つめてみましょう。前よりずっと、季節の移ろい、花や草木の彩りを実感できるでしょう。はるか昔から、四季や自然を食に取り入れてきた日本。〈箱庭〉作りを通して、その美しさを再発見してみませんか。

提供 嶋ゞ

提供
嶋ゞ
和菓子作家・小島直子氏によるプロジェクト。日本の四季を大切にした和菓子を制作・提供している。商品や店舗のディレクターとして活躍したのち、日本の伝統工芸に興味を持ったことがきっかけとなり未経験で和菓子の世界へ飛び込む。教室で和菓子の基礎を学び、その後は独学で技を磨いてきた。現在は限定販売や定期便などで作品を販売。ゆくゆくは和菓子だけに留まらず、日本のものづくりの良さを様々なアウトプットで表現していきたいと考えている。
提供 旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−

提供
旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−
鎌倉市景観重要建築物に指定されている、築100年を超える鎌倉の古民家。本体験が行われるのは、門をくぐり、飛び石が配される露地を歩いた先の二間の茶室。茶室以外にも、能舞台や畳の間が設えられ、現在は企業研修や保養、市民活動ができる場として活用されている。
お客様の声
和菓子作りをするのははじめてでしたが、濾し器の使い方から金団をふんわり乗せるコツまで、先生がやさしく教えてくださいました。先生のサポートもあって綺麗な和菓子にでき、食べるのがもったいないなと思ってしまいました。また、和の趣を心ゆくまで味わえる茶室も素敵でした。
埼玉県 30代 女性
開催場所
旧村上邸 −鎌倉みらいラボ−
〒248-0004 神奈川県鎌倉市西御門2-8-22
・JR横須賀線・江ノ島電鉄 鎌倉駅から徒歩約20分
・鎌倉駅より京急バス 「金沢八景駅ゆき」に乗車。「岐れ路」にて下車、徒歩約5分
・鎌倉駅より京急バス 「大塔宮ゆき」に乗車。「天神前」にて下車、徒歩約3分