京都「御菓子 艸堂」職人に学ぶ和菓子づくりと銘茶ペアリング −竹内栖鳳の旧邸宅にておみやげ付き−

竹内栖鳳の旧邸を舞台に、新たな和菓子の世界を切り開く「御菓子 艸堂」

京都・東山、重要文化財が点在する歴史情緒あふれるエリアに約1,700坪もの広大な敷地を有する「THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO」。かつて近代日本画の巨匠・竹内栖鳳（たけうち せいほう）の私邸として築かれた場所です。現在では、格式あるイタリアンレストランやブライダル会場として活用され、京都を代表する文化と美の拠点として親しまれています。美しい日本庭園と、竹内栖鳳が生きた時代の空気を今に伝える和の建築が、訪れる人を静かな時の流れへと誘います。

敷地内に佇む「御菓子 艸堂」は、不易流行の精神を核に、日本の伝統を大切にしながらも、時代に寄り添った感性で和菓子を創作する菓子店。「伝統と革新」をテーマに、和の素材にこだわりながらも、現代のライフスタイルや味覚に響くような、繊細かつ新鮮な驚きに満ちたお菓子を届けています。

体験の舞台となるのは、別館2階のカウンター席。1階はカフェレストラン「MATSUBATEI」、2階は結婚式の打ち合わせに使われている、通常非公開のスペースです。まるで隠れ家のように静かで、どこか懐かしさを感じる趣ある佇まいの中で楽しむ和菓子づくりは、まるで時がゆっくりと流れるような、穏やかで贅沢なひとときとなるでしょう。

和洋のおいしさに精通するシェフ・小林卓氏が監修する洒脱な和菓子づくり

本体験のメニュー監修と講師を務めるのは、御菓子 艸堂のシェフ・小林卓氏。長年にわたりパティシエとして技術を磨き、洋菓子の世界にも通じる感性を活かしながら、「和と洋の融合」をテーマに独自の菓子文化を築いてきました。素材選びから調理、提供に至るまでを一貫して手がけ、訪れる人に「新しい和菓子の楽しみ方」を提案し続けています。

※当日の講師は小林氏以外の職人も担当します。あらかじめご了承ください。

和菓子講座といえば伝統の練り切りづくりが多いなか、洋菓子の技法まで取り入れたレシピを学べるのは、和と洋の両方を極めた小林氏ならではのOtonami限定プログラム。「見た目は和菓子だけど洋菓子のような味わい、またその逆など、艸堂ならではの工夫を凝らしているので、楽しんでいただければ嬉しいです」と話します。

穏やかに和菓子と向き合う贅沢なひととき

まずは、カウンター越しに職人による和菓子づくりのデモンストレーションを見学。旬の食材を使って和菓子を仕上げる様子を、間近でじっくりと鑑賞できます。工程では蒸し器や裏ごし器などの調理器具を使用する場面がありますが、自宅での再現を想定した代用器具まで教えてもらえます。また、普段の料理に応用するポイントや時間短縮の工夫も紹介されるため、見学後には「自宅に帰ってもつくれそう」という実感が残ります。小林氏直伝のレシピを持ち帰れるので、メモを取りながらレシピを自分らしく充実させるのも良いでしょう。

※当日の講師は小林氏以外の職人も担当します。あらかじめご了承ください。

手がける和菓子は季節の移り変わりに合わせて2ヶ月ごとにテーマが変わり、7・8月はわらび餅やマンゴー大福など夏らしさを味わえるメニュー、9・10月には昔からお彼岸の頃に手づくりしたおはぎや、御菓子 艸堂で人気の葛切りが登場。旬の素材を活かした構成で、何度訪れても楽しめます（和菓子の内容は体験日によって変わります）。

デモンストレーションの後は、いよいよ2種類の和菓子を手づくりする実践の時間。デモンストレーションで職人が実演したプロセスの先を任されるようなイメージで、仕上げの工程に挑戦します。取材時に手がけたわらび餅では、国産の本わらび粉を使い、練ってから「叩く」工程を加えることで独特のとろとろ食感に仕上げます。練る加減をはじめとして、見極めが難しいポイントも丁寧に教えてもらえます。

当日体験するメニューの開発背景をはじめ、季節の移ろいを大切にし、お菓子に映してきた日本人の感性についてなど、手を動かしながら興味深いお話を聞くこともできます。使用されるお道具について、御菓子 艸堂についてなど、和菓子のつくり方以外にも気になることがあれば、職人に尋ねてみてください。

とっておきの宇治茶と共に、できたての味わいを五感で堪能

仕上げた和菓子は、京都府宇治市にある宇治茶の名園「堀井七茗園」のお茶と共にゆったりと味わいます。堀井七茗園は室町時代、将軍・足利義満が選んだ「宇治七茗園」で唯一現存する茶園。なかでも最古の茶園「奥ノ山」では、現在も伝統的な製法で茶葉を栽培しています。この貴重な宇治茶から、煎茶やほうじ茶など好みに合わせた銘柄を選び、和菓子とのペアリングを楽しめるのが本体験の魅力のひとつ。迷った時は、職人に和菓子との相性を相談してみるのもおすすめです。

一つひとつに季節の彩りと物語が込められた和菓子は、味わう瞬間までもが特別な演出の一部。器や盛り付けにも美意識が行き届いており、思わず写真に収めたくなるような華やかさがあります。目の前で職人が仕立て、自らの手で仕上げた素材のできたてのやわらかさ、みずみずしさを口いっぱいに頬張れば、思わず笑みがこぼれることでしょう。和菓子と銘茶が織りなす繊細なハーモニーを目でも舌でも堪能できる、至福の時間です。

特別なカウンター席で季節の和菓子と対話するやさしい時間

体験の最後には、おみやげとして御菓子 艸堂オリジナルの「宇治抹茶どら焼き」をおひとつプレゼント。通常はオンライン販売のみの限定品で、ふわりと香る抹茶と優しい甘さが余韻として残る人気の逸品。職人が一つひとつ丁寧に焼き上げた生地に、上品な甘さの粒あんと渋皮栗をはさんでいます。御菓子 艸堂での体験の余韻を、自宅でも楽しみましょう。

歴史深い日本家屋にて、目の前で職人の技に触れ、自らの手で仕上げた和菓子を味わうひととき。つくる楽しさと味わう豊かさ、そして季節とともに息づく日本の食文化の奥深さに触れられます。和菓子の味わいや見た目の美しさにとどまらず、素材の感触、香り、空間の静けさまで、五感すべてで味わう和菓子づくりを体験してみませんか。