全国130蔵以上の醸造所を訪れたみそ探訪家・岩木みさき氏
東急東横線・都立大学駅から桜並木の緑道を10分ほど歩いたところにある、閑静な住宅街。都心ながら緑の多いこの場所に、会場の「LiB contents」があります。日頃はオーダーキッチンのショールームとして利用されているこのスペースを貸し切り、窓から入り込む心地良い日差しに包まれながら、みその世界に没頭するひとときが始まります。
会場となる「LiB contents」。ナチュラルな外観が訪れる人をやさしく迎える講師は、みそ探訪家であり実践料理研究家の岩木みさき氏。2016年から全国各地のみそ蔵を探訪し、みそについて調査を続けてきました。「すぐに実践できる健康レシピ」をテーマに、日本の伝統調味料であるみその魅力発信はもちろんのこと、暮らしに簡単に取り入れられる調理法やアレンジのポイントを伝えています。ラジオやテレビへの出演、レシピ考案、撮影、企業支援の実績も多数。料理教室や講演は通算2,000回以上の登壇実績を誇ります。
講師の岩木みさき氏。みその魅力を国内外へ情報発信するほか、全国のみそ蔵をつなぐ活動も行う岩木氏がみそを学びはじめたのは、自身が10代の頃に経験した心身の不調がきっかけでした。食べることについて考え続けた先に「身体は食べたものでできている」と強く感じ、健康に良いとされるみそに注目するようになったのだとか。「たんぱく質を豊富に含み、かつ腸を元気にする発酵食品であるみそに、身体を内側から美しくする可能性を感じたんです」と岩木氏は話します。
月ごとのテーマで探求する、奥深いみその世界
本体験では、月ごとに異なるテーマで実践と学びを深めます。本格的なみそを仕込む回をはじめ、四季の養生を取り入れたみそ汁を探求する回、日本各地の食材と合わせて地域の食文化を学ぶ回など、季節に寄り添った多彩なプログラムを展開します。
※開催日によって体験テーマや講座内容が異なります。詳しくは「予約について」のご案内をご確認ください。
茹でたり蒸したりする前の大豆の姿。加熱してふっくら、もっとも味わいが濃い状態の大豆を力を込めてつぶすと、次第に感触に変化が例えばみそづくりの回では、自分のおみそを自分で仕込む楽しさを実感できるよう、やわらかくなるまで加熱した大豆をつぶすところから始めます。かつてはご近所同士で地域のお寺や寄合所に集まり、一緒にみそづくりをしていた時代があったそう。「人々はみそをつくりながら交流を深め、人間関係を育んできたのです。みそづくりを通じて忘れられつつある日本の風習を知り、時代に合わせたかたちで取り戻せたら良いですね」と岩木氏。手に伝わる大豆の感触が気持ち良くつい没頭してしまいますが、人々が賑やかにみそを仕込む様子を想像しながら、岩木氏やゲスト同士の会話に花を咲かせるのも良いでしょう。
大豆をつぶし終えたら、塩と麹を合わせる「塩切り」の工程へ。使用する麹は、岩木氏が全国のみそ蔵を訪ね歩き、信頼関係を築いてきたみそ蔵から取り寄せた特別な麹です。麹によって個性が決まるみその味。とっておきの麹を使用することで、市販のみそとはひと味もふた味も違う風味豊かなみそが出来上がります。
岩木氏がみそ蔵から取り寄せた大切な麹と塩を丁寧に混ぜ合わせる塩切りした麹と大豆を混ぜ合わせたら、発酵・熟成のための容器へと移して仕込みは完了です。そのまま自宅に持ち帰り、完成を待ちましょう(発酵の進みはみその種類や季節などにより変わります)。食べごろの目安やカビを発生させないためのポイントを教えてもらえるので、メモを取っておくのがおすすめです。
※開催日によって、つくるみそや工程が異なる場合があります。詳しくは「予約について」のご案内をご確認ください。
四季の養生を取り入れたみそ汁や各地の食材を通して、豊かな食文化に触れる
みそを仕込む回のほか、一杯のみそ汁を通して心身をととのえる回、日本各地の特産食材とみそを組み合わせた楽しみ方を学ぶ回など、本体験の内容は様々。素材の持ち味を引き出すプロの視点や食材の合わせ方に触れることで、日々の食卓が豊かに広がり、日常の料理にすぐ活かせる実践的な知恵が身につきます。その時期ならではのテーマを通じて、日本の伝統的な知恵と地域の食文化を深く味わいましょう。
季節のみそ汁でみその豊かな香りと滋味を味わう(画像はイメージです)実践料理研究家として食材と向き合う時、「自分の選択が日本食の未来をつくる」ことを大切にしているという岩木氏。私たちが日々口にしている調味料や食材には、必ず造り手が存在します。実際に造り手の元へと足を運び、直接話を聞いたからこそ知り得た貴重なエピソードが披露されることも、本体験の大きな魅力です。
日本各地の厳選食材をテーマに取り上げる(画像はイメージです)みそ蔵でも活用されている“みその教科書”で、基礎から応用までを学ぶ
みそに関する様々な著書を出版している岩木氏。みそづくり体験の後は、そのうちの1冊『みその教科書』を使って、みその歴史、種類、栄養、活用方法などを学びましょう。本書はみそに関して深く広く網羅され、みそ蔵でも研修に活用されているという、まさにみその教科書。著者である岩木氏直々の解説によって、みその基礎から応用までを楽しく理解できます。
テキストの作者である岩木氏のレクチャー付きで学べるまたとない機会みそを通じて「日本の美」に気がつく時間
岩木氏はみそづくりを通じて「日本の美」に触れられると考えています。「日本の美は、食べる行為や所作そのものが精神に結びつくところにあるのではないでしょうか。みそという日本の伝統調味料を手がけ、味わうひとときを通じて、身体の内側から文化を感じ、日本で長い時間を経て培われた美、そして自らの健康について考えるきっかけとなれば幸いです」。
大豆と塩と麹という、シンプルな材料で仕立てる、みその世界に触れる見えない菌によって醸造されるみそは、まさに見えないところに宿る魂を重んじる、日本の精神性につながる調味料。その魅力を知り尽くし、これからも探求を続ける岩木氏と共に、身近ながら奥が深いみその世界を覗いてみませんか。